キルリアン写真とは
読み: きるりあんしゃしん
意味
キルリアン写真は、高い電圧をかけた物体のまわりで起こる放電(コロナ放電)の光を、フィルムや感光板に記録した写真のことです。
キルリアン写真は「きるりあんしゃしん」と読みます。指先や葉っぱを撮ると、輪郭のまわりに青白い光の筋や冠のような模様が写るのが特徴です。その見た目から、1970年代には「生命エネルギー」や「オーラ」を写した写真だとして世界的に話題になりました。
しかし写っているのは、空気中で起こる放電の光という物理現象です。光り方は湿り気や押しつける強さなどで大きく変わることが確かめられており、オーラや心の状態を写すものだとする主張は、科学的には支持されていません。
語源
旧ソ連の電気技師セミョーン・キルリアンと妻ワレンチナ・キルリアンの名に由来します。1939年ごろに発見したとされます
由来・歴史
キルリアン夫妻は南ロシアのクラスノダールで、電気治療機器の修理をしていたときに偶然この現象に気づいたと伝えられています。夫妻はその後も研究を続け、1950年代末から1960年代はじめにかけて論文や特許の形で発表したとされます。
西側で広く知られるきっかけになったのは、1970年に米国で出版された『Psychic Discoveries Behind the Iron Curtain』(オストランダーとシュローダー著)です。この本がソ連の超心理学研究を紹介する中でキルリアン写真を取り上げ、「葉の一部を切り取っても、切った部分の形が光で写る」という「ファントム・リーフ効果」の話とともにブームになりました。
写る仕組み(コロナ放電)
撮影では、電極の上に絶縁体とフィルム(または感光板)を置き、その上に指や葉などの物体をのせます。電極に高電圧・高周波の交流をかけると、物体とフィルムのすき間にある空気が電離して小さな放電が起こり、主に青色から紫外線にかけての光を出します。この光がフィルムに記録されたものがキルリアン写真です。
放電の起こり方は、物体表面の水分(汗など)、押しつける圧力、電圧や周波数、露光時間、フィルムとのすき間の大きさなどで変わります。1970年代の検証実験(1976年に『Science』誌に掲載された研究など)では、光の大きさや形の違いの多くが、こうした物理的な条件で説明できると報告されています。ファントム・リーフ効果も、前に置いた葉の水分の跡など、撮影手順の影響によるものと考えられています。
現代での扱い
現在では、キルリアン写真はコロナ放電を目で見える形にする写真技法として、美術作品や科学展示などで扱われることがあります。一方で、健康状態や性格、オーラを診断できるとうたう使い方には根拠がないとされています。
イベントなどで「オーラ写真」「オーラカメラ」として撮影されるカラー写真は、多くの場合、手を置いたセンサーで皮膚の電気的な反応などを測り、その値に応じて色を重ねて表示する別の仕組みで、キルリアン写真とは異なるものです。また、スマートフォンの「キルリアン写真 アプリ」は画像に光のエフェクトを加えるもので、実際の放電を撮影することはできません。
よくある誤解
- 「オーラや生命力が写る」:写るのは放電の光で、条件を揃えると違いの多くが消えるとされます。
- 「光の色や大きさで体調や感情がわかる」:汗や圧力などで変わるため、診断には使えないとされています。
- 「オーラカメラ=キルリアン写真」:仕組みの異なる別の装置であることがほとんどです。
よくある質問
- Q. キルリアン写真は何が写っているのですか?
- A. 高電圧をかけた物体とフィルムのすき間で空気が電離して起こる、コロナ放電の光が写っています。オーラや霊的なエネルギーが写っているわけではないと考えられています。
- Q. キルリアン写真のアプリで本物は撮れますか?
- A. 撮れません。スマートフォンのカメラでは放電を起こせないため、アプリは画像に光の輪郭などの効果を加えて、それらしく見せるものです。
- Q. キルリアンカメラは自分で作れますか?
- A. 原理は単純ですが、高電圧を扱うため感電の危険があります。電気の専門知識のない人が自作するのはおすすめできません。
- Q. オーラ写真とキルリアン写真は同じものですか?
- A. 一般に「オーラ写真」として撮られるカラー写真は、センサーの測定値に合わせて色を合成する別の仕組みであることが多く、キルリアン写真とは異なります。