デルフォイの神託とは
読み: でるふぉいのしんたく
意味
デルフォイの神託は、古代ギリシャのデルフォイにあったアポロン神殿で、巫女ピュティアを通して告げられた神のお告げです。古代世界で最も権威のある神託所の一つとされました。
デルフォイの神託は「でるふぉいのしんたく」と読みます。デルフォイはデルポイ、デルフィとも表記され、ギリシャ中部のパルナッソス山の斜面にあります。ギリシャ人はここを世界の中心(へそ)と考えていたといわれます。
個人の悩みから、植民都市の建設や戦争のような国家の重大事まで、多くの人々がアポロンの意思を求めて訪れたと伝えられます。遺跡は現在、世界遺産に登録されています。
語源
古代ギリシャ
神託の受け方
伝えられるところによると、相談者は身を清めて供物を捧げたのち、神殿で質問をしました。巫女ピュティアは神殿の奥で三脚の台に座り、神がかりの状態で答えを告げたとされます。その言葉を神官が解釈し、詩の形に整えて伝えたともいわれますが、細かな手順については古代の記録にも違いがあります。
神託は毎日行われたわけではなく、決まった日にだけ受けられたとされます。
有名な逸話と格言
クロイソスの逸話は、神託が二通りに読める曖昧な言葉で告げられることの例としてよく引かれます。
- 「汝自身を知れ」「度を越すなかれ」などの格言が神殿に刻まれていたと伝えられます。
- ソクラテスの友人が「ソクラテスより賢い者はいるか」と尋ね、「いない」と答えを得た話がプラトンの著作に記されています。
- ヘロドトスによれば、リディアの王クロイソスは「ペルシャに攻め込めば大帝国が滅びる」と告げられて戦争を始め、滅んだのは自分の国だったといいます。
神託が果たした役割
ギリシャの都市国家は、新しい植民市を建てるときや、法律・祭礼を定めるときにデルフォイへ使者を送ったと伝えられます。神殿の周りには各都市が奉納した宝物庫が建ち並び、デルフォイは宗教だけでなく、ギリシャ世界の人々が集まる交流の場でもあったとされます。4年ごとにアポロンをたたえるピュティア祭も開かれました。
衰退
ローマ時代になると神託所の影響力は次第に弱まり、キリスト教がローマ帝国の国教となったのち、4世紀末ごろに活動を終えたとされます。
よくある誤解
「巫女は神殿の地下から出るガスを吸って神がかりになった」という説が知られていますが、古代の文献に基づく説の一つで、地質学的な調査をめぐっても見解が分かれています。確かなこととして語るのは避けたほうがよいでしょう。
よくある質問
- Q. デルフォイの神託は誰が告げていましたか?
- A. ピュティアと呼ばれるアポロンの巫女が告げたとされます。
- Q. 「汝自身を知れ」とはどういう意味ですか?
- A. デルフォイの神殿に刻まれていたと伝わる格言で、自分の限界や無知を自覚することの大切さを表すと解釈されています。
- Q. デルフォイの遺跡はどこにありますか?
- A. ギリシャ中部、パルナッソス山の南斜面にあり、世界遺産に登録されています。
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参考文献
- 『ギリシャ人と非理性』 (1951)