神託(オラクル)とは
読み: しんたく
意味
神託(オラクル)は、神の意思や言葉を、巫女や神官などの仲介者を通して、あるいは定められた方法で受け取ったものです。神託を告げる場所や人を指すこともあります。
神託は「しんたく」と読みます。英語のオラクル(oracle)は、ラテン語で「語る・祈る」を意味する言葉に由来する oraculum から来ているとされ、神のお告げそのものだけでなく、お告げを授ける聖所や巫女を指す場合もあります。
日本語では「託宣(たくせん)」「お告げ」もほぼ同じ意味で使われます。
語源
ラテン語 oraculum
古代の神託
古代ギリシャでは、アポロンの聖所であるデルフォイの神託が特に有名で、巫女ピュティアが神の言葉を告げたと伝えられます。ゼウスの聖所ドドナでは、樫の木の葉ずれの音から神意を読み取ったともいわれます。
古代エジプトでは、祭りの日に担がれた神像の動きから神意を判断する方法があったとされ、中国の殷では亀の甲羅や獣の骨を焼いてできたひびで神意を問う占い(甲骨占い)が行われました。
日本の託宣
日本でも、神が人に乗り移って言葉を告げる「神がかり」の伝承が古事記や日本書紀に見られます。奈良時代には宇佐八幡宮の神託が政治に大きな影響を与えた出来事が知られています。
現在の神社で引くおみくじも、神の意思をうかがう方法の一つとして説明されることがあります。
神託の受け取り方
どの方法でも、神の言葉は直接的でなく、解釈が必要なことが多かったとされます。
- 巫女や神官が神がかりの状態で言葉を告げる
- くじや籤(さい)を引いて、出たものを神意とする
- 自然現象や動物のふるまいに神意を読み取る
- 夢の中でお告げを受ける
神託と占いの違い
神託は、神そのものの言葉や意思を受け取るという考えに立っています。一方、占いの多くは、星の配置やカードの象徴などの決まったルールをもとに解釈する方法です。ただし、くじや籤で神意を問う方法のように、両者が重なり合う部分も多く、はっきり分けられないこともあります。
オラクルカードとの違い
現代のオラクルカードは、天使・女神・動物などをテーマにメッセージを書いたカードを引く占いで、20世紀後半以降に広まったものです。名前に「オラクル」とついていますが、古代の神託とは成り立ちが異なり、決まった枚数や構成のあるタロットとも別物です。自由なテーマで作られているため、デッキごとに読み方が異なります。
よくある質問
- Q. 神託と託宣は同じ意味ですか?
- A. ほぼ同じ意味で、どちらも神のお告げを指します。託宣は神が人に乗り移って言葉を告げる場合によく使われます。
- Q. オラクルカードとタロットの違いは?
- A. タロットは大アルカナ22枚と小アルカナ56枚の78枚という決まった構成があります。オラクルカードは枚数やテーマが自由で、デッキごとに内容が異なります。
- Q. おみくじも神託の一種ですか?
- A. 神の意思をうかがうものとして説明されることがあります。結果は吉凶そのものより、書かれた言葉を日々の指針にするのがよいとされます。
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参考文献
- 『ギリシャ人と非理性』 (1951)