星— The Star
希望と癒し、未来への光
ライダー版の絵柄
八本の光を放つ大きな星を、同じく八本の光の小さな星七つが囲んでいます。前景の裸の女性は左膝を陸に、右足を水に置き、二つの大きな水差しから命の水を海と陸に注いでいます。後ろには小高い丘、右手の木には鳥がとまっています。
星は裸の女性が水と大地に水を注ぐ姿で、希望と癒しを象徴します。八つの星は宇宙からの祝福を示します。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
希望に満ちた時期・癒し・インスピレーション・未来への光が見える。
希望を失っている・自信を無くしている状態・悲観的な見方。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 喪失、盗難、欠乏、見捨てられること。別の読みでは希望と明るい見通し
- 逆位置
- 傲慢、高慢、無力
原典の意味の一覧では「喪失・盗難」が先に来て、「希望」は別の読みとして添えられているだけです。ウェイト自身は「希望の札」という説明を、いくつかの安っぽい解釈のまとめにすぎないと書いています。現代では「希望」がこの札の中心の意味になっており、原典との違いが大きい札の一つです。
恋愛・仕事・金運・健康での「星」
純粋な愛・理想の関係が近づく・傷ついた心が癒される時期。
理想を高く持ちすぎたり、自信を失って恋に消極的になったりする暗示です。小さな喜びに目を向け、自分の魅力を思い出しましょう。
夢や理想を追求する時期・クリエイティブな才能が花開く。
目標が見えにくくなり、やる気が下がりやすい時期です。大きな夢をいったん小さな目標に分けると、再び前を向きやすくなります。
臨時収入・投資の実り・長期的な資産形成の始まり。
心身の回復と癒しを示すカードです。リラックスできる時間を意識して作り、心が穏やかになる習慣を取り入れてみましょう。
希望を持ち続ける。宇宙は味方している。
Yes — 希望と願いの実現を示すため「Yes」と読みます。すぐに結果が出なくても、前向きな見通しを持てるカードです。
※健康に関する記述は占いとしての読み方です。体調に不安があるときは医療機関にご相談ください。
「星」と組み合わせて読まれる札
黄金の夜明け団の対応
ライダー版の作者ウェイトと画家スミスがともに属した黄金の夜明け団は、大アルカナ22枚をヘブライ文字22字に当て、さらに元素・惑星・星座を割り当てました。星はヘブライ文字のツァディと水瓶座に対応し、団の文書「Book T」では「大空の娘、水のあいだに住まう者」(The Daughter of the Firmament, the dweller between the Waters)と呼ばれています。星座の性質は水瓶座の解説で読めます。
Book Tは巻末で各札の短い意味も挙げており、星は「希望、信頼、思いがけない助け。あるいは夢見がちなこと、裏切られた希望」とされています。同じ団の伝統でも、ウェイトの意味の一覧とは重なる語と違う語があります。
番号の17は各桁を足すと8になり、8番「力」と組にして読む人もいます(数秘術から借りた現代の読み方です)。同じ数になる札には力があります。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- Wikipedia(英語版)「Tarot card reading」 エテイヤ、レヴィ、黄金の夜明け団、ライダー版までの占いとしてのタロットの歴史と、大アルカナとヘブライ文字の対応表。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。