易経(周易)とは
読み: えききょう(しゅうえき)
意味
易経は、陰と陽の線を6本重ねた64の卦によって物事の変化を読み解く中国の古典で、占いの書であると同時に儒教の経典(五経)の一つでもあります。
易経は「えききょう」と読み、単に「易(えき)」、または周の時代の易という意味で「周易(しゅうえき)」とも呼ばれます。「易」には「変わる」という意味があり、移り変わる状況の中でどう振る舞うかを考えるための書として読まれてきました。
易占いでは、問いを立ててから筮竹やコインで卦を出し、その卦に付けられた言葉(卦辞・爻辞)を手がかりに状況を読み取ります。
語源
中国・周代に成立したとされる古典
由来と歴史
伝承では、伏羲(ふっき)が八卦を作り、周の文王が64卦に言葉を付け、周公旦が爻辞を、孔子が解説(十翼)を著したとされます。ただしこれは伝説的な説明で、実際には長い時間をかけて複数の人の手で成立したと考えられています。殷代の亀甲や獣骨を使った占いから、数を使う占いへ発展したものともいわれます。
『論語』には孔子が易を学ぶことに触れた一節があり、のちに儒教の五経の一つとして重んじられました。近代にはリヒャルト・ヴィルヘルムのドイツ語訳が出版され、その英訳版にユングが序文を寄せたことで、西洋でも広く知られるようになりました。
構成
易経は、64卦それぞれの卦辞と、6本の爻ごとの爻辞からなる「経」と、それを解説する10編の「伝」(十翼)でできています。十翼には彖伝・象伝・繋辞伝・説卦伝などが含まれ、陰陽の思想や八卦の象徴がここで詳しく語られます。
易占いのやり方
伝統的には50本の筮竹を使い、決まった手順で数を割り出して1爻ずつ、下から6回分の爻を決めます。より手軽な方法として、3枚のコインを6回投げて表裏の数で陰陽を決める擲銭法(てきせんほう)や、数や時刻から卦を立てる梅花心易も知られています。
占いで出た卦を本卦(ほんか)、そのうち変化する爻(変爻)を反転させてできる卦を之卦(しか)と呼び、本卦で今の状況を、之卦でその先の流れを読むという見方がよく用いられます。
よくある誤解
易経は吉凶だけを告げる書と思われがちですが、多くの言葉は「こういう状況ではこう振る舞うのがよい」という助言の形をとっています。同じ卦でも、問いの内容や立場によって読み方が変わるのが易の特徴です。
よくある質問
- Q. 易経と易占いは同じものですか?
- A. 易経は書物(古典)の名前で、易占いはその書を使って卦を立て、言葉を読み解く占いの方法です。易経は占いを離れて思想書として読まれることもあります。
- Q. 筮竹がなくても易占いはできますか?
- A. できます。3枚のコインを使う方法が手軽でよく知られています。どの方法でも、問いをはっきり決めてから一度だけ卦を立てるのが基本とされます。
- Q. 「当たるも八卦当たらぬも八卦」の八卦とは?
- A. 易の基本となる8つの三爻の図(乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤)のことです。転じて易占い全般を指し、占いは当たることも外れることもある、という意味のことわざになりました。
- Q. 同じことを何度も占ってもよいですか?
- A. 易経の蒙の卦には、何度も繰り返し問うのは占いを汚すことになる、という趣旨の言葉があり、同じ問いは一度だけ占うのが基本とされます。
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参考文献
- 『The I Ching or Book of Changes』 (1923)