陰陽とは
読み: いんよう
意味
陰陽は、世界のあらゆる物事を「陰」と「陽」という対になる2つの性質と、その移り変わりで捉える中国古代の思想です。
陰陽は「いんよう」と読み、陰陽道などでは「おんみょう」とも読みます。もともと陰は山の日陰側、陽は日の当たる側を指した言葉とされ、そこから暗と明、静と動のように対になる性質全般を表すようになりました。
大切なのは、陰と陽が別々に存在するのではなく、互いに支え合い、入れ替わりながら一つの全体をつくっていると考える点です。昼が極まれば夜に向かい、夜が深まれば朝に向かう、というように変化そのものを説明する枠組みでもあります。
語源
中国古代思想
陰と陽の例
陰陽の割り当ては絶対的なものではなく、何と比べるかによって変わる相対的なものです。代表的な例として次のような対応がよく挙げられます。
- 陽:天・日・昼・明・動・熱・上・外・奇数
- 陰:地・月・夜・暗・静・寒・下・内・偶数
由来と歴史
陰陽の考え方は古代中国で形づくられ、『易経』の繋辞伝には「一陰一陽これを道と謂う」という言葉があります。易では陽を一本線(⚊)、陰を中央が切れた線(⚋)で表し、その組み合わせで八卦や64卦を作ります。
戦国時代ごろには五行説と結びついて陰陽五行説となり、暦や医学、占いの土台として広く用いられたとされます。日本ではこれをもとに陰陽道が発展しました。
太極図の見方
白と黒の勾玉が組み合わさった円の図は太極図と呼ばれ、陰陽を象徴する図として知られています。黒い部分の中に白い点、白い部分の中に黒い点があるのは、陰の中にも陽があり、陽の中にも陰があることを表すと説明されます。この図が今の形で広まったのは比較的後の時代とされます。
占いでの使われ方
易占いでは陰陽の線の組み合わせが卦となり、十干は五行を陰と陽に分けたものです(甲は木の陽、乙は木の陰など)。四柱推命や九星気学でも、陰陽のバランスや偏りから性質を読むことがあります。
暦の上でも陰陽は使われます。奇数を陽の数と考えることから、1月1日・3月3日・5月5日・7月7日・9月9日のように奇数が重なる日は節句として祝われてきました。なかでも陽の数の最大である9が重なる9月9日は「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれます。
よくある誤解
「陽=良い、陰=悪い」と思われがちですが、陰陽思想では両方がそろってはじめて調和するとされ、どちらかが優れているわけではありません。陰が強すぎても陽が強すぎてもバランスを欠くと考えます。
よくある質問
- Q. 陰陽の読み方は「いんよう」と「おんみょう」のどちらですか?
- A. 思想としては「いんよう」と読むのが一般的です。日本の陰陽道や陰陽師では「おんみょう」と読みます。
- Q. 陰陽と五行はどう関係していますか?
- A. 陰陽は2つの対になる性質、五行は木火土金水の5つの性質で物事を捉えます。両方を組み合わせた陰陽五行説が、暦や占いの基礎になりました。
- Q. 男性が陽、女性が陰というのは決まりですか?
- A. 古典では男を陽、女を陰に配することがありますが、陰陽は相対的な分類で、一人の人の中にも両方の性質があると考えるのが基本です。