カルマ(業)とは
読み: かるま(ごう)
意味
カルマ(業)は、サンスクリット語で「行為」を意味する言葉で、行いには必ずそれに応じた結果がともなうという考え方を表します。漢訳では「業(ごう)」といいます。
カルマは「かるま」、業は「ごう」と読みます。もともとは単に「行い・作用」を指す言葉でしたが、インドの宗教思想の中で、行いが目に見えない形で残り、のちの結果や次の生に影響するという意味を持つようになりました。
仏教では、体で行うこと(身業)、言葉にすること(口業)、心で思うこと(意業)の三つを合わせて「三業」と呼び、行いだけでなく言葉や思いもカルマに含まれるとされます。
語源
サンスクリット語 कर्म
由来と歴史
古代インドでは、カルマはもともと祭祀の行為を指していたとされます。やがてウパニシャッドの時代に、善い行いは善い結果を、悪い行いは悪い結果をもたらし、それが輪廻の中で次の生を決めるという考え方に発展しました。
この考えはヒンドゥー教・仏教・ジャイナ教に受け継がれ、仏教とともに中国を経て日本にも伝わりました。「自業自得」「業が深い」といった日本語の表現にもその影響が残っています。
因果応報との関係
仏教では、善い行いには楽しい結果が、悪い行いには苦しい結果がともなうことを「善因善果・悪因悪果」と表し、これを因果応報といいます。カルマの考え方を日本語で言い表した代表的な言葉です。
ただし仏教では、結果は行いだけで機械的に決まるのではなく、さまざまな条件(縁)が重なって生じると説かれます。
宗教ごとの捉え方
- ヒンドゥー教:行いの結果が輪廻を通じて引き継がれるとされ、義務(ダルマ)に沿った行いが重視されます。
- 仏教:行いの背後にある意思(思い)が特に重視され、執着を離れることで輪廻から抜け出す道が説かれます。
- ジャイナ教:カルマは魂に付着する微細な物質のように考えられ、戒律や苦行でそれを取り除くことが目指されます。
現代での使われ方
英語圏では「karma」が日常語として使われ、「自分のしたことが自分に返ってくる」という意味で広まりました。占いやスピリチュアルな文脈では、前世から持ち越した課題を「カルマ」と呼ぶこともあります。
よくある誤解
カルマは「罰」や「宿命」と同じ意味だと思われがちですが、本来は善い行いも含めた行為全体を指します。また、病気や不幸を「その人のカルマのせい」と決めつけるのは、伝統的な教えから見ても適切とはいえません。カルマの考え方は、これからの行いを大切にするための教えとして受け止めるのがよいでしょう。
よくある質問
- Q. 業(ごう)とカルマは同じ意味ですか?
- A. はい。業はサンスクリット語のカルマを漢訳した言葉で、どちらも「行い」とその結果を表します。
- Q. カルマは悪い意味だけですか?
- A. いいえ。本来は善い行いも悪い行いも含めた行為全体を指します。善い行いを「善業」と呼ぶこともあります。
- Q. カルマと輪廻転生はどう関係しますか?
- A. インドの思想では、行いの積み重ねが次にどのような生に生まれるかを左右すると考えられています。