GLOSSARY · 日本シャーマニズム

ユタとは

読み: ゆた

意味

ユタは、沖縄や奄美の島々で、先祖や霊的な事柄についての相談に応じてきた民間の霊能者・霊媒のことです。多くは女性とされます。

ユタは「ゆた」と読みます。家族の病気や不幸が続いたとき、家を建てるとき、先祖の供養やお墓のことで迷ったときなどに、人々が相談に訪れてきた存在です。ユタは神や先祖の言葉を聞き取ったり、拝み(ウガン)を行ったりして、相談者に助言するとされます。

地域の公的な祭祀を担う神女(ノロ)とは異なり、ユタは個人や家族の相談に応じる民間の宗教者として位置づけられてきました。

語源

沖縄・奄美地方の民間信仰

由来と歴史

ユタの起源ははっきりしていませんが、琉球の祖先崇拝や御嶽(うたき)信仰と結びついて古くから存在したとされます。琉球王国の時代や近代には、人心を惑わすものとして取り締まりの対象になった時期があったといわれます。それでも人々の暮らしの中で頼られ続け、現在も沖縄や奄美で活動するユタがいます。

ユタになる人は、原因のわからない心身の不調(カミダーリと呼ばれます)を経験したのち、神の道に入ることを受け入れてユタになる、と語られることが多いです。

どんな相談に応じるのか

相談の内容は、家族の不幸や悩みごとの原因、先祖の位牌(トートーメー)の継ぎ方、お墓や家の拝み方、物事を始める日取りなど、暮らしと先祖の祭祀に関わるものが中心とされます。ユタに相談しに行くことを、沖縄では「ユタ買い」と呼ぶことがあります。

一方で「医者半分、ユタ半分」という言い回しも知られています。体の不調は医者に、心や家のことはユタに、と使い分けてきた考え方を表すとされます。

ノロ・イタコとの違い

どれも神や霊と人をつなぐ役割を持つ点で、宗教人類学ではシャーマニズムの一つの形として研究されることがあります。

  • ノロ:琉球王国の時代から村落の公的な祭祀を担ってきた神女。地域全体のための祈りを行います。
  • ユタ:個人や家族の相談に応じる民間の霊能者。呼ばれれば各家の拝みも行います。
  • イタコ:東北地方で死者の言葉を伝える口寄せを行ってきた巫女。地域も成り立ちも異なります。

よくある誤解

ユタは「占い師」と紹介されることがありますが、実際には先祖の祭祀や拝みを含む地域の信仰に根ざした存在で、娯楽の占いとは性格が異なります。また、ユタの言葉をどう受け止めるかは相談者次第です。高額な費用を求められたり、不安をあおられたりした場合は、家族や周囲に相談して落ち着いて判断することが大切です。

よくある質問

Q. ユタとノロはどう違いますか?
A. ノロは村落の公的な祭祀を担う神女で、ユタは個人や家族の相談に応じる民間の霊能者です。役割と立場が異なります。
Q. ユタ買いとは何ですか?
A. ユタのもとへ相談に行くことを指す沖縄の言葉です。家族の悩みや先祖の祭祀について助言を受けることをいいます。
Q. ユタは今もいますか?
A. 現在も沖縄や奄美で活動しているユタがいるとされます。相談の内容は先祖の供養や拝みに関するものが多いといわれます。

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