奇門遁甲とは
読み: きもんとんこう
意味
奇門遁甲は、ある時刻とある方位の組み合わせごとに吉凶を割り出し、行動するタイミングや向かう方角を選ぶための中国の占術です。
奇門遁甲は「きもんとんこう」と読みます。北東の方角を指す「鬼門(きもん)」とは字も意味も異なる別の言葉です。「遁甲」は十干の甲(きのえ)が他の干の中に隠れる(遁れる)という盤の作り方に由来するとされます。
時間ごとに盤を作り直すため、同じ方位でも日や時刻によって吉凶が変わるのが特徴です。現代では、吉方位への旅行や引っ越し、大事な用事の日時選びなどに使われています。
語源
中国。古代の兵法と結びついて伝えられてきた占術
由来と歴史
奇門遁甲は戦いの作戦を立てるための兵法と深く結びついて伝えられ、三国時代の諸葛亮(孔明)が用いたという伝承がよく知られています。ただし成立の時期や経緯にははっきりしない部分が多く、伝説として語られている面もあります。
太乙神数・六壬神課とあわせて「三式(さんしき)」と呼ばれ、中国では高度な占術とされてきました。日本では『日本書紀』に天武天皇が天文・遁甲に通じていたと記されており、陰陽道の中でも扱われたとされます。
盤のしくみ
奇門遁甲の盤は、九宮(八方位と中央)を土台に、いくつかの要素を重ねて作ります。流派によって細部は異なりますが、主な要素は次のとおりです。
- 九星:天蓬・天芮・天衝・天輔・天禽・天心・天柱・天任・天英
- 八門:休門・生門・傷門・杜門・景門・死門・驚門・開門
- 八神:直符などの神々
- 十干:甲を除く九つの干(三奇六儀)
八門と吉方位の見方
八門のうち休門・生門・開門は吉門とされ、傷門・死門・驚門などは注意が必要な門とされることが多いです。ある時刻にどの方位に吉門や吉星が回っているかを見て、その方位へ出かける、その時刻に動き出すといった使い方をします。
盤には時刻ごとに作る時盤のほか、日盤・月盤・年盤があり、短い外出には時盤、引っ越しのように長く影響する行動には日盤や月盤を重ねて見る、といった使い分けが紹介されます。吉方位へ移動して一定の時間を過ごすことを、吉方位をとる、と表現することもあります。
よくある誤解
名前から「鬼門」と関係があると思われがちですが、別の言葉です。また、九星気学の九星(一白水星など)とは名前も体系も異なります。盤の作り方には複数の流派があり、同じ日時でも結果が一致しないことがある点にも注意が必要です。
よくある質問
- Q. 奇門遁甲と九星気学の吉方位はどう違いますか?
- A. 九星気学は年や月の九星の配置から方位を見るのに対し、奇門遁甲は時刻ごとに盤を作り、八門や九星の組み合わせで細かく見ます。どちらも方位を扱いますが、別の体系です。
- Q. 奇門遁甲は誰でも使えますか?
- A. 盤の作成には暦や干支の知識が必要ですが、現在は計算ソフトや早見表も多く出ています。まずは吉門の方位を確認する程度から試す人が多いようです。
- Q. 三式とは何ですか?
- A. 太乙神数・奇門遁甲・六壬神課の三つの占術をまとめた呼び名です。いずれも中国で重んじられた占術とされます。