第9ハウス
Iter(旅)
哲学・宗教・遠方旅行・高等教育を司る
哲学・宗教・遠方旅行・高等教育・世界観
キーワード
第9ハウスの意味
第9ハウスは魂を高い視点に引き上げるハウス。哲学・宗教・法律・高等教育・遠方旅行(海外)・出版・翻訳・世界観の拡張。第3ハウスが近距離の日常なら、第9ハウスは長距離の探求。
第9ハウスで読み取れること
大学などの高等教育、哲学や宗教観、海外との縁や長い旅、出版や発信、人生の意味を探る探究心を読み取ります。
第9ハウスの分類と支配星
第9ハウスはケーデントハウス(落ちるハウス)に分類されます。次のアングルの手前に位置するハウスで、経験を整理し、学びや調整を通して次の段階へつなぐ領域です。ここに入った惑星は、思考や準備、適応といった形で働きます。同じケーデントハウスには第3ハウス・第6ハウス・第12ハウスがあります。
また、エレメントで分けると第9ハウスは火の「生命のハウス」に属します。自分の生命力や情熱、生きる意欲に関わるグループです。同じグループは第1ハウス・第5ハウスです。第9ハウスはホロスコープで地平線より上にある第7〜第12ハウスの一つで、他者や社会との関わりといった外向きの領域を扱います。
黄道12星座を第1ハウスから順に当てはめる「ナチュラルハウス」の考え方では、第9ハウスには射手座が対応し、その支配星である木星がこのハウスの自然な支配星(ナチュラルルーラー)とされます。ただし、ハウスと星座をこのように重ねる考え方は20世紀初めのアラン・レオの教えに始まるもので、それ以前の占星術にはありません。実際の出生図では、第9ハウスの始まり(カスプ)にある星座とその支配星の位置もあわせて読みます。
17世紀の占星術書に書かれた第9ハウス
ラテン語の伝統的な呼び名は「Iter(旅)」。ヘレニズム期(紀元前後のギリシア語圏)には「神の場所」と呼ばれました。イギリスの占星術師ウィリアム・リリーは『Christian Astrology』(1647年)で、第9ハウスが表すものを次のように挙げています。
海を越える長い旅、聖職者や宗教、夢や幻、外国、書物、学問、教会の職、配偶者の親族。
- 体の部位
- 臀部・腰・腿
- 色
- 緑と白
- 性別の区分
- 男性のハウス
- 共同表示星
- 射手座
- ここで喜ぶ惑星
- 太陽
太陽がここで喜ぶとされ、ヘレニズム期には「神」の場所と呼ばれました。現代の「高等教育」「哲学」「海外」は、リリーの「書物・学問・外国・長い旅」とほぼ重なります。「夢」をこのハウスで読むことは、現代ではあまり知られていません。
リリーの記述は、1852年にZadkielが再編集した『An Introduction to Astrology』第4章から要約しています。リリーは「共同表示星」の惑星を第1ハウスの土星から順に、土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月の並びで当てており、現代の「自然の支配星」とは別のものです。
対向する第3ハウスとの関係
第9ハウスの反対側にあるのは第3ハウス(コミュニケーション・学び・兄弟姉妹を司る)です。向かい合う2つのハウスは「身近な知識と高い知恵の軸」と呼ばれる一本の軸をつくります。第3ハウスは日常の情報や基礎的な学び、第9ハウスは哲学や専門的な学び、遠い世界への探究を表します。具体的な知識と大きな視野をつなぐことがテーマです。
ハウスに惑星がない場合
第9ハウスが空でも、そこにあるサインが哲学や世界観の傾向を示します。
各惑星が入った時の解釈
太陽は哲学・宗教が人生の中心、月は感情的な信仰、金星は美しい思想、火星は情熱的な信念、木星は最も強く発揮される、土星は責任ある学問を示します。
出生図での意味
出生図の第9ハウスは、生涯にわたる世界観の探求と、海外との縁を示します。
トランジット(進行)での意味
第9ハウスに惑星が通過する時期は、旅・学び・世界観の拡張が起きやすい時。
🌟 アドバイス
自分の世界観を広げる旅を。知らない世界に触れることが、このハウスのテーマです。
よくある質問
第9ハウスの支配星は?
現代の占星術では、第9ハウスに射手座を重ね、その支配星の木星を「自然の支配星」とします。この対応は20世紀初めのアラン・レオに始まる考え方で、17世紀のリリーは第9ハウスの共同表示星を射手座としています。実際の出生図では、第9ハウスのカスプにある星座の支配星を読みます。
第9ハウスで喜ぶ惑星は?
太陽です。ヘレニズム期から、7つの惑星にはそれぞれ「喜ぶ」ハウスがあるとされ、太陽は第9ハウスで喜ぶとされてきました。第9ハウスの古い呼び名「神の場所」も、この惑星との結びつきから来ています。
あわせて読みたい
参考資料
- William Lilly(Zadkiel 編, 1852年)/sacred-texts.com「An Introduction to Astrology, Chapter IV. Of the Twelve Houses, Their Nature and Signification」 1647年の『Christian Astrology』を1852年に再編集した版。各ハウスの意味・体の部位・色・男性/女性の別・共同表示星・惑星の喜びの記述を確認しています。
- Wikipedia(英語版)「House (astrology)」 ラテン語の伝統的なハウス名、アンギュラー・サクシデント・ケーデントの分類、ハウス分割法の種類、ハウスと星座を同一視する考え方が20世紀初めのアラン・レオに始まるとする記述。
- Wikipedia(英語版)「Chart Rulership」 ヘレニズム期のハウスの呼び名(舵・女神・幸運・不運・神の場所・良い霊)と、惑星が喜ぶハウス(ジョイ)の説明。