第3ハウス
Fratres(兄弟)
コミュニケーション・学び・兄弟姉妹を司る
コミュニケーション・学び・兄弟姉妹・近所・移動
キーワード
第3ハウスの意味
第3ハウスは日常のコミュニケーション・情報収集・学びを司ります。兄弟姉妹や近所の人々との関係、SNS・メール・電話などのやり取りもここ。知的好奇心と適応力の性質を示します。
第3ハウスで読み取れること
話し方や書き方、学校で学ぶような基礎的な勉強、兄弟姉妹やご近所との関係、通勤や短い旅行などの身近な移動を読み取ります。
第3ハウスの分類と支配星
第3ハウスはケーデントハウス(落ちるハウス)に分類されます。次のアングルの手前に位置するハウスで、経験を整理し、学びや調整を通して次の段階へつなぐ領域です。ここに入った惑星は、思考や準備、適応といった形で働きます。同じケーデントハウスには第6ハウス・第9ハウス・第12ハウスがあります。
また、エレメントで分けると第3ハウスは風の「関係のハウス」に属します。言葉や交流、人とのつながりに関わるグループです。同じグループは第7ハウス・第11ハウスです。第3ハウスはホロスコープで地平線より下にある第1〜第6ハウスの一つで、自分自身や身近な暮らしといった個人的な領域を扱います。
黄道12星座を第1ハウスから順に当てはめる「ナチュラルハウス」の考え方では、第3ハウスには双子座が対応し、その支配星である水星がこのハウスの自然な支配星(ナチュラルルーラー)とされます。ただし、ハウスと星座をこのように重ねる考え方は20世紀初めのアラン・レオの教えに始まるもので、それ以前の占星術にはありません。実際の出生図では、第3ハウスの始まり(カスプ)にある星座とその支配星の位置もあわせて読みます。
17世紀の占星術書に書かれた第3ハウス
ラテン語の伝統的な呼び名は「Fratres(兄弟)」。ヘレニズム期(紀元前後のギリシア語圏)には「女神」と呼ばれました。イギリスの占星術師ウィリアム・リリーは『Christian Astrology』(1647年)で、第3ハウスが表すものを次のように挙げています。
兄弟姉妹、いとこや親族、近所の人、国内の短い旅、たびたびの転居、手紙、うわさ、使いの者。
- 体の部位
- 肩・腕・手・指
- 色
- 赤と黄(栗毛色)
- 性別の区分
- 男性のハウス
- 共同表示星
- 双子座・火星
- ここで喜ぶ惑星
- 月
月がここで喜ぶとされ、リリーは月が第3ハウス、とくに活動宮にあると「旅が多く、落ち着いていることが少ない」と書いています。「手紙」「うわさ」は、現代ではSNSやメールなど日々のやりとり全般に読みかえられています。
リリーの記述は、1852年にZadkielが再編集した『An Introduction to Astrology』第4章から要約しています。リリーは「共同表示星」の惑星を第1ハウスの土星から順に、土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月の並びで当てており、現代の「自然の支配星」とは別のものです。
対向する第9ハウスとの関係
第3ハウスの反対側にあるのは第9ハウス(哲学・宗教・遠方旅行・高等教育を司る)です。向かい合う2つのハウスは「身近な知識と高い知恵の軸」と呼ばれる一本の軸をつくります。第3ハウスは日常の情報や基礎的な学び、第9ハウスは哲学や専門的な学び、遠い世界への探究を表します。具体的な知識と大きな視野をつなぐことがテーマです。
ハウスに惑星がない場合
第3ハウスが空でも問題はなく、そこにあるサインが会話や学びのスタイルを示します。
各惑星が入った時の解釈
太陽は言葉で自分を表現、月は感情的な会話、水星は生粋のコミュニケーター、金星は美しい言葉、火星は率直で情熱的な発言、木星は情報の拡大を示します。
出生図での意味
出生図の第3ハウスは、学び方や情報との付き合い方、身近な人との関係性を示します。
トランジット(進行)での意味
第3ハウスに惑星が通過する時期は、学び・情報・移動・コミュニケーションが活発になる時。
🌟 アドバイス
情報を集めるだけでなく、伝えることも大切に。会話は関係を育てる土壌。
よくある質問
第3ハウスの支配星は?
現代の占星術では、第3ハウスに双子座を重ね、その支配星の水星を「自然の支配星」とします。この対応は20世紀初めのアラン・レオに始まる考え方で、17世紀のリリーは第3ハウスの共同表示星を双子座と火星としています。実際の出生図では、第3ハウスのカスプにある星座の支配星を読みます。
第3ハウスで喜ぶ惑星は?
月です。ヘレニズム期から、7つの惑星にはそれぞれ「喜ぶ」ハウスがあるとされ、月は第3ハウスで喜ぶとされてきました。第3ハウスの古い呼び名「女神」も、この惑星との結びつきから来ています。
あわせて読みたい
参考資料
- William Lilly(Zadkiel 編, 1852年)/sacred-texts.com「An Introduction to Astrology, Chapter IV. Of the Twelve Houses, Their Nature and Signification」 1647年の『Christian Astrology』を1852年に再編集した版。各ハウスの意味・体の部位・色・男性/女性の別・共同表示星・惑星の喜びの記述を確認しています。
- Wikipedia(英語版)「House (astrology)」 ラテン語の伝統的なハウス名、アンギュラー・サクシデント・ケーデントの分類、ハウス分割法の種類、ハウスと星座を同一視する考え方が20世紀初めのアラン・レオに始まるとする記述。
- Wikipedia(英語版)「Chart Rulership」 ヘレニズム期のハウスの呼び名(舵・女神・幸運・不運・神の場所・良い霊)と、惑星が喜ぶハウス(ジョイ)の説明。