第11ハウス
Benefacta(恩恵・支え)
友人・グループ・希望・理想を司る
友人・グループ・希望・理想・社会運動
キーワード
第11ハウスの意味
第11ハウスは志を同じくする仲間との繋がりを示すハウス。友人・グループ・社会運動・理想・希望・未来のビジョン。第7ハウスが対等な一対一の関係なら、第11ハウスは集団の中の同志。
第11ハウスで読み取れること
友人や仲間との関係、所属するコミュニティ、将来の夢や理想、社会貢献への関心、思いがけない支援者との出会いを読み取ります。
第11ハウスの分類と支配星
第11ハウスはサクシデントハウス(続くハウス)に分類されます。アンギュラーハウスに続くハウスで、角のハウスで始まったことを安定させ、資源や喜びとして蓄える領域です。ここに入った惑星は、持続的で積み重ねていく形で働きます。同じサクシデントハウスには第2ハウス・第5ハウス・第8ハウスがあります。
また、エレメントで分けると第11ハウスは風の「関係のハウス」に属します。言葉や交流、人とのつながりに関わるグループです。同じグループは第3ハウス・第7ハウスです。第11ハウスはホロスコープで地平線より上にある第7〜第12ハウスの一つで、他者や社会との関わりといった外向きの領域を扱います。
黄道12星座を第1ハウスから順に当てはめる「ナチュラルハウス」の考え方では、第11ハウスには水瓶座が対応し、その支配星である天王星がこのハウスの自然な支配星(ナチュラルルーラー)とされます。ただし、ハウスと星座をこのように重ねる考え方は20世紀初めのアラン・レオの教えに始まるもので、それ以前の占星術にはありません。実際の出生図では、第11ハウスの始まり(カスプ)にある星座とその支配星の位置もあわせて読みます。
17世紀の占星術書に書かれた第11ハウス
ラテン語の伝統的な呼び名は「Benefacta(恩恵・支え)」。ヘレニズム期(紀元前後のギリシア語圏)には「良い霊(善きダイモーン)」と呼ばれました。イギリスの占星術師ウィリアム・リリーは『Christian Astrology』(1647年)で、第11ハウスが表すものを次のように挙げています。
友人と友情、希望、信頼、人からの評判、友人の誠実さや裏切り。王にとっての側近・顧問・同盟者・財源。
- 体の部位
- 脚(足首まで)
- 色
- サフラン色・黄
- 性別の区分
- 男性のハウス
- 共同表示星
- 水瓶座・太陽
- ここで喜ぶ惑星
- 木星
木星がとくに喜ぶハウスで、ヘレニズム期の呼び名も「良い霊」です。現代の「コミュニティ」「将来の夢」「社会貢献」は、リリーの「友人・希望・信頼」に重なります。リリーは、この家の力は第7・第4ハウスに近いとまで書いています。
リリーの記述は、1852年にZadkielが再編集した『An Introduction to Astrology』第4章から要約しています。リリーは「共同表示星」の惑星を第1ハウスの土星から順に、土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月の並びで当てており、現代の「自然の支配星」とは別のものです。
対向する第5ハウスとの関係
第11ハウスの反対側にあるのは第5ハウス(創造・恋愛・子供・遊びを司る)です。向かい合う2つのハウスは「個人の喜びと集団の理想の軸」と呼ばれる一本の軸をつくります。第5ハウスは自分が心から楽しむこと、第11ハウスは仲間と共有する夢や理想を表します。個人の創造性を、より大きな輪の中でどう生かすかがテーマです。
ハウスに惑星がない場合
第11ハウスが空でも、そこにあるサインが友人関係と理想の傾向を示します。
各惑星が入った時の解釈
太陽は仲間との活動が人生の中心、月は感情的な友情、金星は愛される仲間、火星は情熱的なリーダー、木星は幸運な友情、土星は責任ある集団活動を示します。
出生図での意味
出生図の第11ハウスは、生涯の友人関係と、理想への向き合い方を示します。
トランジット(進行)での意味
第11ハウスに惑星が通過する時期は、新しい友人・グループ・希望が生まれる時。
🌟 アドバイス
同じ志を持つ仲間と繋がる。理想は仲間と共に実現する。
よくある質問
第11ハウスの支配星は?
現代の占星術では、第11ハウスに水瓶座を重ね、その支配星の天王星を「自然の支配星」とします。この対応は20世紀初めのアラン・レオに始まる考え方で、17世紀のリリーは第11ハウスの共同表示星を水瓶座と太陽としています。実際の出生図では、第11ハウスのカスプにある星座の支配星を読みます。
第11ハウスで喜ぶ惑星は?
木星です。ヘレニズム期から、7つの惑星にはそれぞれ「喜ぶ」ハウスがあるとされ、木星は第11ハウスで喜ぶとされてきました。第11ハウスの古い呼び名「良い霊(善きダイモーン)」も、この惑星との結びつきから来ています。
あわせて読みたい
参考資料
- William Lilly(Zadkiel 編, 1852年)/sacred-texts.com「An Introduction to Astrology, Chapter IV. Of the Twelve Houses, Their Nature and Signification」 1647年の『Christian Astrology』を1852年に再編集した版。各ハウスの意味・体の部位・色・男性/女性の別・共同表示星・惑星の喜びの記述を確認しています。
- Wikipedia(英語版)「House (astrology)」 ラテン語の伝統的なハウス名、アンギュラー・サクシデント・ケーデントの分類、ハウス分割法の種類、ハウスと星座を同一視する考え方が20世紀初めのアラン・レオに始まるとする記述。
- Wikipedia(英語版)「Chart Rulership」 ヘレニズム期のハウスの呼び名(舵・女神・幸運・不運・神の場所・良い霊)と、惑星が喜ぶハウス(ジョイ)の説明。