第8ハウス
Mors(死)
深い変容・遺産・性愛・タブーを司る
深い変容・遺産・共有財産・性愛・オカルト
キーワード
第8ハウスの意味
第8ハウスは、古くは「死の家」と呼ばれたハウス。他者との深い結び付き(性愛・遺産・共有財産)、生と死の変容、タブーや秘密、オカルトや神秘学もここ。人生の最も深いレベルでの変容が起きる場所です。
第8ハウスで読み取れること
パートナーと共有するお金や遺産・保険、深い信頼関係や性愛、人生の大きな転機と再生、目に見えないものへの関心を読み取ります。
第8ハウスの分類と支配星
第8ハウスはサクシデントハウス(続くハウス)に分類されます。アンギュラーハウスに続くハウスで、角のハウスで始まったことを安定させ、資源や喜びとして蓄える領域です。ここに入った惑星は、持続的で積み重ねていく形で働きます。同じサクシデントハウスには第2ハウス・第5ハウス・第11ハウスがあります。
また、エレメントで分けると第8ハウスは水の「魂のハウス」に属します。感情や心の奥、目に見えない領域に関わるグループです。同じグループは第4ハウス・第12ハウスです。第8ハウスはホロスコープで地平線より上にある第7〜第12ハウスの一つで、他者や社会との関わりといった外向きの領域を扱います。
黄道12星座を第1ハウスから順に当てはめる「ナチュラルハウス」の考え方では、第8ハウスには蠍座が対応し、その支配星である冥王星がこのハウスの自然な支配星(ナチュラルルーラー)とされます。ただし、ハウスと星座をこのように重ねる考え方は20世紀初めのアラン・レオの教えに始まるもので、それ以前の占星術にはありません。実際の出生図では、第8ハウスの始まり(カスプ)にある星座とその支配星の位置もあわせて読みます。
17世紀の占星術書に書かれた第8ハウス
ラテン語の伝統的な呼び名は「Mors(死)」。イギリスの占星術師ウィリアム・リリーは『Christian Astrology』(1647年)で、第8ハウスが表すものを次のように挙げています。
亡くなった人の財産、死とその様子、遺言・遺産、妻の持参金、決闘では相手の介添人、心の恐れや苦しみ、誰が相続するか。
- 体の部位
- 生殖器(あわせて膀胱や痔、毒)
- 色
- 緑と黒
- 性別の区分
- 女性のハウス
- 共同表示星
- 蠍座・土星
- ここで喜ぶ惑星
- なし
「死の家」と呼ばれてきたハウスで、リリーの記述は遺産・持参金など、死や結婚にともなって動くお金が中心です。現代の「変容」「再生」「深い心理」という読み方は20世紀の心理占星術で広まったもので、古い本にはありません。
リリーの記述は、1852年にZadkielが再編集した『An Introduction to Astrology』第4章から要約しています。リリーは「共同表示星」の惑星を第1ハウスの土星から順に、土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月の並びで当てており、現代の「自然の支配星」とは別のものです。
対向する第2ハウスとの関係
第8ハウスの反対側にあるのは第2ハウス(所有・お金・価値観を司る)です。向かい合う2つのハウスは「自分の資源と共有の資源の軸」と呼ばれる一本の軸をつくります。第2ハウスは自分で稼ぎ所有するもの、第8ハウスは他者と分かち合うものを表します。自立した豊かさと、信頼に基づいて共有する豊かさの両立がテーマです。
ハウスに惑星がない場合
第8ハウスが空でも、そこにあるサインが変容や深いテーマとの関わり方を示します。
各惑星が入った時の解釈
太陽は深いテーマが人生の中心、月は感情の深層、金星は情熱的で深い愛、火星は激しい性愛、木星は遺産の幸運、土星は責任ある変容を示します。
出生図での意味
出生図の第8ハウスは、深い変容能力と、他者との深い結び付きの傾向を示します。
トランジット(進行)での意味
第8ハウスに惑星が通過する時期は、大きな変容・遺産・共有財産に関する出来事が起きやすい時。
🌟 アドバイス
深いテーマを恐れない。変容の後に真の再生がある。
よくある質問
第8ハウスの支配星は?
現代の占星術では、第8ハウスに蠍座を重ね、その支配星の冥王星を「自然の支配星」とします。この対応は20世紀初めのアラン・レオに始まる考え方で、17世紀のリリーは第8ハウスの共同表示星を蠍座と土星としています。実際の出生図では、第8ハウスのカスプにある星座の支配星を読みます。
第8ハウスで喜ぶ惑星は?
第8ハウスを喜びの場とする惑星はありません。惑星の喜び(ジョイ)は第1・第3・第5・第6・第9・第11・第12ハウスの7つに割り当てられています。
あわせて読みたい
参考資料
- William Lilly(Zadkiel 編, 1852年)/sacred-texts.com「An Introduction to Astrology, Chapter IV. Of the Twelve Houses, Their Nature and Signification」 1647年の『Christian Astrology』を1852年に再編集した版。各ハウスの意味・体の部位・色・男性/女性の別・共同表示星・惑星の喜びの記述を確認しています。
- Wikipedia(英語版)「House (astrology)」 ラテン語の伝統的なハウス名、アンギュラー・サクシデント・ケーデントの分類、ハウス分割法の種類、ハウスと星座を同一視する考え方が20世紀初めのアラン・レオに始まるとする記述。
- Wikipedia(英語版)「Chart Rulership」 ヘレニズム期のハウスの呼び名(舵・女神・幸運・不運・神の場所・良い霊)と、惑星が喜ぶハウス(ジョイ)の説明。