カンドンブレとは
読み: かんどんぶれ
意味
カンドンブレは、西アフリカや中部アフリカから連れて来られた人々の信仰をもとに、ブラジルで形づくられたアフロ・ブラジル系の宗教です。オリシャなどの神々と祖先を敬います。
カンドンブレは「かんどんぶれ」と読みます。テヘイロと呼ばれる聖所を中心に共同体が営まれ、太鼓と歌と踊りによる儀礼で神々を讃えます。占いはその信仰のなかで、人と神々の関係を知るための大切な実践として位置づけられています。
ブラジルでは、ウンバンダなどほかのアフロ・ブラジル系宗教とともに、多くの人々に信仰されています。
語源
19世紀のブラジル北東部、とくにバイーア州サルヴァドールを中心に形づくられたとされます
由来・歴史
ポルトガルの植民地だったブラジルには、奴隷貿易によってアフリカの各地から多くの人々が連れて来られました。カンドンブレは、その人々が抑圧のなかで守り伝えた信仰から生まれたとされます。カトリックの聖人とオリシャを重ね合わせる習慣も、こうした歴史の中で生まれました。
カンドンブレには「ナソン(国)」と呼ばれる系統があります。ヨルバ系の伝統を受け継ぐケトゥ、フォン系のジェジ、バントゥー系のアンゴラなどがよく知られ、系統によって神々の呼び名や儀礼の言葉が異なります。ヨルバ系ではオリシャ、ジェジではヴォドゥン、アンゴラではンキシと呼ばれます。
信仰と実践
テヘイロを率いるのは、マンイ・ジ・サント(聖人の母)やパイ・ジ・サント(聖人の父)と呼ばれる司祭です。歴史的に女性の司祭が多くのテヘイロを率いてきたことでも知られています。入信者は長い修行と儀礼を経て、自分を守る神々との結び付きを深めていくとされます。
- ジョーゴ・ジ・ブージオス:子安貝を投げ、落ち方から神々の言葉を読み取る占い。相談者を守るオリシャや必要な儀礼を知るために行われます
- 儀礼(トーキ):太鼓のリズムと歌でオリシャを迎え、讃える集まり
- 供物:神々ごとに好まれる食べ物などをささげます
現代での扱い
カンドンブレはかつて警察による取り締まりの対象となった時代がありましたが、現在はブラジルの文化と信仰の大切な一部として広く知られています。毎年2月2日にサルヴァドールで行われる海の女神イエマンジャの祭りには、多くの人が花や贈り物を携えて海辺に集まります。一方で、信者や聖所が宗教的な差別や攻撃にさらされる問題も報じられています。
よくある誤解
カンドンブレを「呪術」や「占いの一種」とだけ見るのは正確ではありません。占いは信仰のなかの実践の一つであり、カンドンブレは共同体・儀礼・祖先への敬意をもつ宗教です。また、ブラジルのアフロ系宗教はすべて同じではなく、ウンバンダなどとは成り立ちや儀礼が異なります。
よくある質問
- Q. カンドンブレのブージオス(貝殻占い)とは何ですか?
- A. ジョーゴ・ジ・ブージオスと呼ばれる、子安貝を使った占いです。司祭が貝を投げ、表裏の出方などから神々の言葉を読み取るとされ、信仰の中で相談者の道を知るために行われます。
- Q. カンドンブレとサンテリアの違いは?
- A. どちらもヨルバの信仰の影響を強く受けた宗教ですが、カンドンブレはブラジルで、サンテリアはキューバで発展しました。神々の名前の表記や儀礼の形式、系統の分かれ方などが異なります。
- Q. イエマンジャの祭りはいつ行われますか?
- A. サルヴァドールのリオ・ヴェルメーリョ地区では、毎年2月2日に海の女神イエマンジャを讃える祭りが行われることで知られています。