ヴードゥーとは
読み: ゔーどぅー
意味
ヴードゥー(ヴォドゥ)は、西アフリカのフォンやヨルバ、中部アフリカのコンゴなどの信仰をもとに、カリブ海のハイチで形づくられた宗教です。ロア(ルワ)と呼ばれる霊的存在と祖先を敬います。
ヴードゥーは「ゔーどぅー」と読み、ハイチの信仰を指すときは「ヴォドゥ(Vodou)」と表記されることも多くなっています。最高神ボンディエのもとで、人々の暮らしに近いロアに祈り、儀礼を通じて助けや導きを求める宗教です。
ホラー映画の影響で「呪い」や「ゾンビ」のイメージが広まっていますが、ハイチやその移民の共同体では、家族や地域の暮らしを支えてきた信仰として今も実践されています。
語源
西アフリカのフォン語などで神霊を意味する「ヴォドゥン」に由来するとされます
由来・歴史
フランスの植民地サン=ドマング(現在のハイチ)には、奴隷貿易によってアフリカ各地から多くの人々が連れて来られました。出身地の異なる人々の信仰が混ざり合い、カトリックの影響も受けながら、ヴードゥーが形づくられていったとされます。
1791年に始まり1804年の独立につながったハイチ革命の発端として、ボワ・カイマンでの儀式が語り継がれています。その詳細には歴史的な議論もありますが、ヴードゥーがハイチの人々の連帯や自己認識と深く結び付いてきたことを示す伝承とされます。
信仰と実践
ボンディエ(「よき神」の意)は遠い存在とされ、人々は日々の悩みについてロアに祈ります。儀礼は男性の祭司オウンガン、女性の祭司マンボが中心となり、寺院・集会所にあたるウンフォで行われます。
- 太鼓・歌・踊りでロアを迎える儀礼が行われます
- 儀礼の場ではロアが参加者に「乗る」(憑依する)とされ、その言葉が助言として受け取られます
- ヴェヴェと呼ばれる図形を地面に描き、ロアを招く目印とします
- 病気や家族の問題について祭司に相談し、必要な儀礼を知ることもあります
現代での扱い
ヴードゥーは歴史的に植民地政府や教会から弾圧を受けた時期がありました。2003年にはハイチ政府が宗教として公式に認めたとされます。米国ニューオーリンズの「ヴードゥー(Voodoo)」は、ハイチから来た人々の影響も受けつつ、ルイジアナで独自に発展した別の伝統として扱われることが一般的です。
よくある誤解
針を刺す「ヴードゥー人形」は、ハイチのヴードゥーの中心的な実践ではなく、主に映画や土産物を通じて広まったイメージとされます。ゾンビもハイチの民間伝承に由来する言葉ですが、ハリウッド映画で描かれる姿とは大きく異なります。ヴードゥーを恐ろしい呪術としてだけ見るのは、実際の信仰とその信者に対する偏見につながりやすいといえます。
よくある質問
- Q. ヴードゥーとヴォドゥは違うものですか?
- A. 同じハイチの宗教を指す表記の違いです。研究者や信者のあいだでは、映画などの偏ったイメージと区別するために「ヴォドゥ(Vodou)」の表記が使われることが増えています。
- Q. ロア(ルワ)とは何ですか?
- A. ヴードゥーで敬われる霊的な存在で、それぞれに性格や好み、司る領域があるとされます。交差点と門を司るパパ・レグバなどがよく知られています。
- Q. ヴードゥー人形は本当にあるのですか?
- A. 人形を使う民間の呪術は世界各地にありますが、針を刺して人を呪う人形はハイチのヴードゥーを代表するものではありません。主に映画や観光土産を通じて広まったイメージとされます。