サンテリアとは
読み: さんてりあ
意味
サンテリアは、西アフリカのヨルバの人々の信仰をもとに、キューバで形づくられたアフロ・キューバ系の宗教です。信者のあいだではレグラ・デ・オチャ、またはルクミとも呼ばれます。
サンテリアは「さんてりあ」と読みます。オリシャと呼ばれる神々を敬い、祖先を大切にし、儀礼や共同体のつながりを通じて人生の道を整えていく宗教です。キューバだけでなく、移住した人々とともにアメリカ合衆国やメキシコ、ベネズエラ、ヨーロッパなどにも信者がいます。
日本では「占い」や「魔術」の文脈で紹介されることがありますが、実際には信仰・儀礼・共同体をもつ生きた宗教です。占いはその中の一つの実践にあたります。
語源
スペイン語で「聖人のやり方」を意味する呼び名に由来するとされます。もとは外部からの呼び名で、信者は別の名前を使うことも多いです
由来・歴史
16世紀以降の大西洋奴隷貿易で、多くのアフリカの人々がキューバへ強制的に連れて来られました。そのなかで、現在のナイジェリアやベナンにあたる地域のヨルバの人々の信仰が、厳しい抑圧のもとで受け継がれていきました。
スペインの植民地支配のもとではカトリックへの改宗が求められたため、オリシャをカトリックの聖人と重ね合わせて祀ることが行われたとされます。たとえば海の母とされるイエマヤが「レグラの聖母」と、雷と火のシャンゴが聖バルバラと結び付けられる例がよく知られています。これは信仰を守るための工夫であり、同時に長い歴史のなかで生まれた独自の融合でもあると考えられています。
信仰と実践
信仰の中心にあるのは、最高神オロドゥマレと、自然や人生のさまざまな領域を司るオリシャです。信者は入信儀礼を経て、自分を守るオリシャとの結び付きを深めていきます。入信者を導く司祭はサンテロ(女性はサンテラ)と呼ばれます。
- ディログン(貝殻占い):子安貝を投げ、落ち方からオリシャの言葉を読み取るとされる占い
- イファ:ババラウォと呼ばれる男性の司祭が、オルンミラ(オルーラ)の知恵にもとづいて行う占い
- 儀礼と祭り:太鼓・歌・踊りでオリシャを讃える集まり。供物をささげる儀礼も行われます
現代での扱い
キューバでは革命後、宗教活動が制限された時期がありましたが、1990年代以降は比較的おおやけに信仰できるようになったとされます。音楽や舞踊などキューバ文化にも深い影響を与えています。米国では1993年に、動物の供犠を禁じた市の条例をめぐって連邦最高裁が宗教の自由を認める判断を下した事例も知られています。
よくある誤解
サンテリアは「黒魔術」や「呪い」と結び付けて描かれることがありますが、これは映画などの誇張や偏見によるところが大きいとされます。多くの信者にとって、サンテリアは家族の健康や人生の困難について神々と祖先に助けを求める、日々の信仰です。また、キリスト教と融合した宗教と紹介されることもありますが、カトリックの要素の受け止め方は信者や家(イレ)によって異なります。
よくある質問
- Q. サンテリアのオリシャとは何ですか?
- A. ヨルバの信仰に由来する神々のことで、海・川・雷・鉄・道など、自然や人生のさまざまな領域を司るとされます。エレグア、オグン、シャンゴ、イエマヤ、オシュンなどがよく知られています。
- Q. サンテリアの占いはどのように行われますか?
- A. 代表的なのは子安貝を使うディログンと、ババラウォが行うイファです。どちらも信仰の一部として、相談者が進むべき道や必要な儀礼を知るために行われるとされます。
- Q. サンテリアとヴードゥーは同じものですか?
- A. どちらもアフリカの信仰をルーツにもつ宗教ですが、別の宗教です。サンテリアは主にヨルバの信仰をもとにキューバで、ハイチのヴードゥーは主にフォンなどの信仰をもとにハイチで発展しました。