ワンドの2
計画と選択の時
ライダー版の絵柄
背の高い男性が胸壁のある屋上から海と岸を見渡しています。右手に地球儀を持ち、左手の杖を胸壁に立て、もう一本の杖は環で留められています。左側には薔薇と十字と百合の印が描かれています。
絵柄から読むポイント
屋上の人物は地球儀を手にしながら、まだ城の上から動いていません。手元の安定と、遠くへ出たい気持ちのあいだで考えている段階の札です。恋愛でも仕事でも「今の場所を守るか、外へ出るか」が問われていると読み、決める前に、何を手放すことになるのかを紙に書き出してみると判断がしやすくなります。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。数の2の一般的な位置づけは「2 — 二元性と選択」です。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
将来の計画を立てる時期・二つの選択肢を検討する。
計画の停滞・優柔不断・視野の狭さ。
正位置では、まだ決めていなくても、選べる立場にいること自体が強みです。比べる材料を集める時期と読みます。逆位置では、考える時間が長くなりすぎて、選ばないことが選択になりつつある状態。期限を自分で決める、誰かに相談して口に出す、といった外からの区切りが役に立ちます。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 両立しない二つの読みがある。一方は富、幸運、壮麗。もう一方は体の苦しみ、病、悔しさ、悲しみ、屈辱
- 逆位置
- 驚き、不思議、魅惑、感情、困りごと、恐れ
- 補足の意味
- 正位置「若い女性にささいな失望」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
ウェイトは、領地を見下ろしながら地球儀を眺める姿を「この世の富のただなかで憂いに沈むアレクサンドロス大王」のようだと書いています。現代の「将来の計画・二つの選択肢」の読みは、二つの方向に引き裂かれたこの姿を前向きに言い換えたものとも言えます。
テーマ別の読み方
正位置:関係の方向性を決める時期・長期的な計画。
逆位置:関係の行き先を決められず、足踏みしている状態を示します。相手と将来について率直に話す時間が必要です。
正位置:戦略立案・パートナーとの計画。
逆位置:計画が机上で止まり、動き出せない様子を表します。完璧を求めず、最初の一歩を具体的に決めましょう。
将来を見据えた資金計画を立てるのに向いています。使い道を二つ以上比べてから決めると後悔が少なくなります。
体調管理の計画を見直すタイミングです。無理のない目標を決めて取り組むと続けやすくなります。
広い視野で選択する。今の一手が将来を決める。
どちらとも言えない — 選択肢を検討している段階のカードなので、結論は自分の決断次第と読みます。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ワンドの2には「支配の主」(Lord of Dominion)という称号が与えられています。
Book Tがこの札に与えている意味は「他人への影響力、権威、力、支配。大胆さ、勇気、決意。ただし許さず、頑固」です。どの札もまわりの札との関係で強まったり弱まったりする、と同書は繰り返し断っています。
同じ文書では、2〜10の数札が黄道十二星座を10度ずつに分けた36の「デカン」に割り当てられています。ワンドの2は牡羊座の第1デカンに当たり、そこを受け持つ天体は火星です。
組み合わせの一例
同じ数の札
ワンドの14枚
ワンドのスート全体の性格は小アルカナ一覧のワンドの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。