ワンドの3
拡張と展望の時
ライダー版の絵柄
落ち着いた堂々とした人物が背を向けて崖の縁に立ち、海を行く船を見ています。地面には三本の杖が立ち、そのうち一本に軽くもたれています。
絵柄から読むポイント
人物は背を向け、すでに船が出たあとの海を見ています。自分の手を離れて動き出したものの結果を待つ場面です。この札が出たら、準備はもう済んでいて、あとは見通しを持って待つ時期だと読みます。待つあいだに次の港(次の目標)を考えておくと、知らせが届いたときにすぐ動けます。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。数の3の一般的な位置づけは「3 — 発展と表現」です。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
計画が動き出し、視野が広がる。海外や遠くとの関わりも。
計画の遅延・視野の狭さ・拡張の失敗。
正位置では、送り出したものが順調に進んでいて、待つあいだにも視野を広げられる時期です。遠方の人や海外との縁が動くこともあります。逆位置では、思ったほど早く知らせが来ない、見通しが甘かったと感じる状態。ただし原典の逆位置は「苦労の終わり」なので、悪い結果というより、待ち方を変える合図と読みます。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 確立した力、事業、努力、交易、商業、発見。海を行く船は彼の商品を運んでいる。商売での有能な協力
- 逆位置
- 苦労の終わり。逆境・労苦・失望が中断し、終わること
- 補足の意味
- 正位置「とても良い札。協力が事業を後押しする」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
ウェイトは、船の持ち主である成功した商人が「あなたを助けようとこちらを見ている」とも読めると書いています。逆位置を「苦労の終わり」とする原典の読みは、現代でよく見る「計画の遅れ」とは向きが逆です。
テーマ別の読み方
正位置:遠距離の可能性・関係の拡張・新しい世界。
逆位置:期待していた進展が遅れ、待つ時間が長く感じられる状態です。相手のペースも尊重しましょう。
正位置:事業拡大・国際的な展開・チームの拡張。
逆位置:展開が思ったように広がらず、見通しの甘さが表に出やすいときです。計画を現実的に修正しましょう。
先を見据えた投資や準備が実を結び始める兆しです。視野を広げると新しい収入の可能性が見えてきます。
外に出て体を動かすと気分が晴れやすい時期です。旅行や散歩でリフレッシュするのもよいでしょう。
船を出す時。恐れず遠くを見据える。
Yes — これまでの準備が動き出す段階を示すため、肯定的に読まれます。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ワンドの3には「確立された力の主」(Lord of Established Strength)という称号が与えられています。
Book Tがこの札に与えている意味は「確立した力、望みの実現、苦労の完成、苦闘の後の成功。誇り、傲慢、自己主張」です。どの札もまわりの札との関係で強まったり弱まったりする、と同書は繰り返し断っています。
同じ文書では、2〜10の数札が黄道十二星座を10度ずつに分けた36の「デカン」に割り当てられています。ワンドの3は牡羊座の第2デカンに当たり、そこを受け持つ天体は太陽です。
組み合わせの一例
同じ数の札
ワンドの14枚
ワンドのスート全体の性格は小アルカナ一覧のワンドの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。