カップの3
友情と祝祭の時
ライダー版の絵柄
庭で乙女たちが杯を高く掲げ、互いに乾杯するように誓い合っています。
絵柄から読むポイント
三人の乙女が庭で杯を高く掲げて乾杯しています。原典の意味は「豊かさと陽気さのうちに事が終わる」こと。お祝いの席、打ち上げ、気の合う仲間との時間を表します。一方で原典の逆位置には「感覚の喜びの行きすぎ」もあり、楽しい集まりが続いて疲れていないか、飲みすぎていないかを振り返るきっかけにもなります。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。数の3の一般的な位置づけは「3 — 発展と表現」です。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
友情と喜びを分かち合う時・祝祭・仲間との絆。
孤立・友情のもつれ・過剰な社交。
正位置では、仲間と喜びを分け合い、うまくいったことを祝える時期です。人とのつながりが運を運んでくれます。逆位置では、楽しい集まりが度を越して疲れや出費がかさむ、あるいは仲間内の噂やすれ違いが起きやすい状態。誘いを全部受けず、一緒にいて安心できる人との時間を選びます。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 豊かさ・完成・陽気さのうちに事が終わること。幸せな結末、勝利、成就、慰め、癒し
- 逆位置
- すばやい処理、達成、終わり。肉体の楽しみ、感覚の喜びの行きすぎ
- 補足の意味
- 正位置「軍人に思いがけない昇進」/逆位置「慰め、回復、仕事の終わり」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
原典の正位置は「祝いのうちに事が終わる」という結末の札です。逆位置の「感覚の喜びの行きすぎ」は、現代でいう「付き合いの度が過ぎる」という読みにそのままつながっています。
テーマ別の読み方
正位置:友情から愛への発展・仲間との楽しい時間。
逆位置:周囲の目や交友関係が恋に影響しやすい状態です。友人関係と恋愛の線引きを意識しましょう。
正位置:チームの成功・仲間との祝賀・良い協力関係。
逆位置:チームの雰囲気が緩みすぎたり、仲間内の行き違いが起きたりしやすいときです。目的を共有し直しましょう。
交際費や楽しみへの出費が増えやすい時期です。仲間と分かち合う時間には価値がありますが、使いすぎには注意しましょう。
楽しい集まりが心の栄養になるときです。飲食の量だけは控えめにすると体も喜びます。
喜びを分かち合う。仲間を大切に。
Yes — 喜びと祝福を分かち合う場面を表すため、明るい肯定と読むのが一般的です。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、カップの3には「豊かさの主」(Lord of Abundance)という称号が与えられています。
Book Tがこの札に与えている意味は「豊かさ、成功、幸運。もてなし、飲食、踊り、新しい服、陽気な楽しみ」です。どの札もまわりの札との関係で強まったり弱まったりする、と同書は繰り返し断っています。
同じ文書では、2〜10の数札が黄道十二星座を10度ずつに分けた36の「デカン」に割り当てられています。カップの3は蟹座の第2デカンに当たり、そこを受け持つ天体は水星です。
組み合わせの一例
同じ数の札
カップの14枚
カップのスート全体の性格は小アルカナ一覧のカップの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。