カップの6
懐かしさと純粋な喜び
ライダー版の絵柄
古い庭で子どもたちが遊び、杯には花が満ちています。
絵柄から読むポイント
古い庭で、子どもたちが花を満たした杯を手渡しています。懐かしい人との再会、昔の趣味の再開、子ども時代の思い出がよみがえる場面として読みます。原典では逆位置が「未来・まもなく起こること」とされ、過去と未来が裏表になった札です。昔を振り返るのは、そこから今の自分に必要なものを取り出すためだと考えると生かしやすくなります。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。数の6の一般的な位置づけは「6 — 調和と回復」です。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
過去の良い思い出・純粋な愛・懐かしさ。
過去への執着・幼稚さからの卒業・現在への集中。
正位置では、懐かしさや素直な好意が心を温める時期です。昔の友人との再会、子どもとの時間が吉と出ます。逆位置では、過去を美化しすぎて今に目が向かない状態、あるいは原典のように「これから起こること」へ視点が移る状態のどちらにも読めます。昔に戻りたいのか、昔から何を持っていきたいのかを分けて考えます。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 過去と思い出の札。たとえば子どものころを振り返ること。幸福や楽しみだが、過去から来るもの。消え去ったもの。逆に、新しい関係・知識・環境とする読みもある
- 逆位置
- 未来、再生、まもなく起こること
- 補足の意味
- 正位置「楽しい思い出」/逆位置「遺産がすぐに入る」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
原典では正位置が「過去」、逆位置が「未来」というわかりやすい対になっています。現代で逆位置を「過去への執着から離れる」と読むのは、この「過去から未来へ」という向きの転換を受け継いだものです。
テーマ別の読み方
正位置:初恋の再燃・過去の相手との再会・純粋な愛。
逆位置:過去の恋に気持ちがとらわれ、今の関係に向き合えていない状態です。思い出は大切にしつつ、現在に目を向けましょう。
正位置:古い同僚との再会・過去の経験を活かす。
逆位置:過去のやり方に固執して変化に対応できていないときです。経験を活かしつつ新しい方法も取り入れましょう。
昔からの縁や思い出の品が金運にかかわりやすい時期です。贈り物や親切が温かい形で返ってくることもあります。
懐かしい場所や人に触れると心がほぐれるときです。子どもの頃に好きだったことで気分転換しましょう。
純粋な心を取り戻す。ただし過去に囚われすぎない。
Yes — 純粋な好意や懐かしい縁を表すため、穏やかな肯定と読むのが一般的です。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、カップの6には「喜びの主」(Lord of Pleasure)という称号が与えられています。
Book Tがこの札に与えている意味は「着実な増加・利得・喜びの始まり。ただし始まりにすぎない。願い・幸福・成功の始まり」です。どの札もまわりの札との関係で強まったり弱まったりする、と同書は繰り返し断っています。
同じ文書では、2〜10の数札が黄道十二星座を10度ずつに分けた36の「デカン」に割り当てられています。カップの6は蠍座の第2デカンに当たり、そこを受け持つ天体は太陽です。
組み合わせの一例
同じ数の札
カップの14枚
カップのスート全体の性格は小アルカナ一覧のカップの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。