ワンドの6
勝利と称賛の時
ライダー版の絵柄
月桂冠をかぶった騎手が、月桂冠を結んだ杖を掲げて進み、そばには杖を持った徒歩の従者たちが並んでいます。
絵柄から読むポイント
月桂冠をつけた騎手が人々に囲まれて進む、凱旋の場面です。努力が人の目に見える形で認められる時期を表します。ただし周りの歩兵がいるからこそ成り立つ行進で、成果を一人で抱えないことが大切です。昇進や合格の知らせとして出たときは、支えてくれた人に何を返すかまで考えておくと、評価が長続きします。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。数の6の一般的な位置づけは「6 — 調和と回復」です。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
努力が実り、勝利と称賛を得る時期。
勝利の遅延・称賛の欠如・自信の喪失。
正位置では、成果がはっきり認められ、自信を持って人前に出られる時期です。評価を素直に受け取ってかまいません。逆位置では、認められるのが遅れる、手柄が別の人に回るといった状態。自分の働きを記録して伝える工夫をするとともに、評価を気にしすぎて本来の目的を見失っていないかも確かめます。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 勝者の凱旋。王の急使が運ぶような大きな知らせ。望みがかなった期待、希望の冠
- 逆位置
- 門前に勝った敵が迫るような不安や恐れ。門を敵に開くような裏切り、不忠。いつまでも続く遅れ
- 補足の意味
- 正位置「使用人が主人の信頼を失う。若い女性が友人に裏切られる」/逆位置「先送りされていた望みがかなう」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
ウェイトは、この図は「勝利」と「大きな知らせ」のどちらも表せるように描かれていると説明しています。逆位置の「門前の敵」という比喩は、勝利の直後に気がゆるむ危うさとして読むことができます。
テーマ別の読み方
正位置:関係の勝利・プロポーズ成功・結ばれる時。
逆位置:期待した反応が得られず、自信をなくしやすい状態です。他人の評価より自分の気持ちを基準にしましょう。
正位置:昇進・受賞・大きな成果を認められる。
逆位置:成果が正当に認められなかったり、評価が遅れたりする暗示です。実績を記録し、適切に伝えることが大切です。
努力が評価され、報酬や臨時収入につながりやすい時期です。支えてくれた人へのお礼にも使うとよい循環が生まれます。
自信が戻り、気力が上向くときです。達成感を味わいつつ休息も忘れずに。
勝利を素直に受け入れ、支えてくれた人に感謝を。
Yes — 勝利と称賛を示すため、はっきりとした肯定と読むのが一般的です。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ワンドの6には「勝利の主」(Lord of Victory)という称号が与えられています。
Book Tがこの札に与えている意味は「争いの後の勝利。労苦で得た喜び。利得」です。どの札もまわりの札との関係で強まったり弱まったりする、と同書は繰り返し断っています。
同じ文書では、2〜10の数札が黄道十二星座を10度ずつに分けた36の「デカン」に割り当てられています。ワンドの6は獅子座の第2デカンに当たり、そこを受け持つ天体は木星です。
組み合わせの一例
同じ数の札
ワンドの14枚
ワンドのスート全体の性格は小アルカナ一覧のワンドの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。