ペンタクルの6
与えと受け取り
ライダー版の絵柄
商人の身なりをした人物が、天秤でお金を量り、困っている人々に分け与えています。ウェイトは、それが彼自身の成功と心の善さを示すと書いています。
絵柄から読むポイント
商人が天秤でお金を量り、困っている人に分け与えています。与える側と受け取る側がはっきり分かれた場面です。寄付や援助、給料や報酬のやり取りとして読みます。自分がどちらの側に立っているかで意味が変わり、与える側なら量り方が公平か、受け取る側なら条件をきちんと確かめているかがポイントになります。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。数の6の一般的な位置づけは「6 — 調和と回復」です。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
寛大さ・与え受け取るバランス・慈善。
不公平・依存・与えすぎ受け取りすぎ。
正位置では、助け合いや公平なやり取りがうまくいく時期です。受けた親切を別の人に回すことも運を開きます。逆位置では、与える側と受ける側の力関係が偏っている状態。原典の逆位置「強欲・ねたみ」のように、見返りを求めすぎていないか、条件の悪い援助に頼っていないかを確かめます。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 贈り物、贈与、満足。別の説では注意、警戒。今こそ好機、目下の繁栄
- 逆位置
- 欲望、強欲、ねたみ、嫉妬、幻想
- 補足の意味
- 正位置「今の状態を当てにしてはならない」/逆位置「相談者の野心にブレーキがかかる」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
天秤で量って配る図は、気前のよさと同時に「どれだけ与えるかを決める側の力」も表しています。現代の逆位置「不公平・依存」は、原典の「強欲・ねたみ」をお金のやり取りの偏りとして読んだものです。
テーマ別の読み方
正位置:与え合う関係・寛大な愛・バランス。
逆位置:どちらか一方が与えすぎ、関係が対等でなくなっている状態です。負担の偏りを話し合いましょう。
正位置:公平な報酬・寛大な上司・良い環境。
逆位置:報酬や評価が不公平だと感じやすいときです。条件をはっきりさせ、交渉することも必要です。
与えることと受け取ることのバランスがとれた時期です。援助や寄付、分かち合いがよい循環を生みます。
人に親切にしたり、されたりすることで心が満たされるときです。無理のない範囲で手助けしましょう。
与えることと受け取ることのバランス。
Yes — 寛大さと公平な分配を表すため、肯定と読むのが一般的です。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ペンタクルの6には「物質的な成功の主」(Lord of Material Success)という称号が与えられています。
Book Tがこの札に与えている意味は「物質的な事業での成功と利得。力、影響、地位。商売の繁盛」です。どの札もまわりの札との関係で強まったり弱まったりする、と同書は繰り返し断っています。
同じ文書では、2〜10の数札が黄道十二星座を10度ずつに分けた36の「デカン」に割り当てられています。ペンタクルの6は牡牛座の第2デカンに当たり、そこを受け持つ天体は月です。
組み合わせの一例
同じ数の札
ペンタクルの14枚
ペンタクルのスート全体の性格は小アルカナ一覧のペンタクルの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。