ペンタクルの4
保守と執着
ライダー版の絵柄
王冠をかぶった人物が、冠の上に一つ、両腕で一つのペンタクルを抱え、足の下にも二つを置いています。ウェイトは「持っているものにしがみついている」と書いています。
絵柄から読むポイント
王冠の人物が、頭の上、腕の中、足の下にペンタクルを抱えています。ウェイトは「持っているものにしがみついている」と書いています。貯金や地位、人間関係を守ろうとする札で、安定と引き換えに身動きが取れなくなっている状態として読みます。守ることが悪いのではなく、何のために守っているのかを言えるかどうかを問いかける札です。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。数の4の一般的な位置づけは「4 — 安定と基盤」です。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
資産を守る・保守的な姿勢・所有への執着。
手放し・寛容さ・囚われからの解放。
正位置では、財産や立場を守り、堅実に足場を固める時期です。無駄な出費を抑えるのには向いています。逆位置では、守りすぎて機会を逃す、あるいは原典の逆位置「宙ぶらりん・遅れ・反対」のように、物事が止まって動かない状態。少しだけ手を開いて、何を手放せるかを考えます。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 財産の確かさ、持っているものへの執着、贈り物、遺贈、相続
- 逆位置
- 宙ぶらりん、遅れ、反対
- 補足の意味
- 正位置「独身の男性に、女性からうれしい知らせ」/逆位置「観察、障害」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
原典の正位置は「財産の確かさ」と「執着」を同時に表します。逆位置は手放しではなく「遅れ・反対」で、現代の「執着を手放す」という逆位置の読みは原典にはありません。
テーマ別の読み方
正位置:関係への執着・独占欲・オープンにできない。
逆位置:独占欲が和らぎ、相手を信頼して手放せる状態を示します。ただし相手を軽く扱わないよう注意しましょう。
正位置:資産の保守・堅実な運用・過度な保守は成長を止める。
逆位置:守りに入りすぎた姿勢を改め、変化を受け入れるときです。共有することで新しい可能性が広がります。
貯蓄や資産を守る意識が強まる時期です。堅実さは長所ですが、必要な出費まで惜しまないようにしましょう。
体に力が入りやすく、緊張がこりとして出やすいときです。意識して体をほぐしましょう。
守ることと共有することのバランスを。
どちらとも言えない — 守りと保守を表すため、現状維持なら Yes、変化を望むなら No と読みます。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ペンタクルの4には「地上の力の主」(Lord of Earthly Power)という称号が与えられています。
Book Tがこの札に与えている意味は「確かな物質的利得。成功、地位、支配、地上の力。ただし完成したところで先がない。お金や影響力の獲得、贈り物」です。どの札もまわりの札との関係で強まったり弱まったりする、と同書は繰り返し断っています。
同じ文書では、2〜10の数札が黄道十二星座を10度ずつに分けた36の「デカン」に割り当てられています。ペンタクルの4は山羊座の第3デカンに当たり、そこを受け持つ天体は太陽です。
組み合わせの一例
同じ数の札
ペンタクルの14枚
ペンタクルのスート全体の性格は小アルカナ一覧のペンタクルの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。