ペンタクルのペイジ
学びに熱心な若者の伝令
ライダー版の絵柄
若者が、掲げた両手の上に浮かぶペンタクルを一心に見つめています。周りのことには気づかず、ゆっくりと進んでいます。
絵柄から読むポイント
若者が、両手の上に浮かぶペンタクルを一心に見つめてゆっくり歩いています。原典は「専念・勉強・学識」。新しい分野を学び始める、仕事の基礎を覚える段階を表します。周りが見えなくなるほど集中している姿なので、自分の姿として出たら学ぶ時間を確保してよい時期。他人の姿なら、まじめに学んでいる若い人として読みます。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
新しい学び・実務的なスキル・良い知らせ。
学びの停滞・不真面目・機会の逸失。
正位置では、学ぶ意欲が高く、新しい知識や技術を着実に身につけられる時期です。仕事の基礎を固めるのに向いています。逆位置では、集中が続かない、あるいは原典の逆位置「浪費・贅沢」のように、学びより目先の楽しみにお金を使ってしまう状態。学ぶ時間と予算をあらかじめ決めておきます。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 専念、勉強、学識、熟考。別の読みでは知らせ・伝言とその運び手。規則、管理
- 逆位置
- 浪費、放蕩、気前のよすぎること、贅沢。良くない知らせ
- 補足の意味
- 正位置「色黒の若者。若い士官か兵士。子ども」/逆位置「ときに失墜、ときに略奪」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
原典のペンタクルのペイジは「勉強・学識」が中心で、現代の「新しい学び・実務の習得」という読みと一致します。逆位置が「浪費・贅沢」になるのは、学びの対象であったお金に振り回される姿として読めます。
テーマ別の読み方
正位置:現実的で誠実な若い恋・地に足のついた関係。
逆位置:慎重になりすぎて関係が進まない状態です。完璧な準備を待たず、気持ちを少しずつ伝えましょう。
正位置:新しい学び・資格取得・実務スキル向上。
逆位置:学びが続かない、目標がぼやけるといった停滞が出やすいときです。具体的な計画を立て直しましょう。
お金について学ぶのに向いた時期です。家計簿や資格の勉強など、地道な一歩が将来につながります。
新しい健康習慣を学び、試してみるのによいときです。無理のない小さな目標から始めましょう。
実践的な学びを大切に。地道な努力が実る。
Yes — 誠実な学びと良い知らせを表すため、肯定と読むのが一般的です。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ペンタクルのペイジには「こだまする丘の王女、地の宮殿の薔薇」(The Princess of the Echoing Hills: the Rose of the Palace of Earth)という称号が与えられています。
黄金の夜明け団はコートカードの呼び名を独自に組み替えており、ライダー版の名前とは対応がずれます(騎馬の「ナイト」が王、「キング」が王子、「ペイジ」が王女に当たります)。ライダー版の絵はこの組み替えを採らず、伝統的なキング・クイーン・ナイト・ペイジのままです。
組み合わせの一例
同じ人物の札
ペンタクルの14枚
ペンタクルのスート全体の性格は小アルカナ一覧のペンタクルの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。