ペンタクルのクイーン
豊かさを育む女王
ライダー版の絵柄
ウェイトは、女王の顔立ちに「魂の大きさ」と真剣な知性を見ています。彼女は自分のペンタクルを見つめ、その中に世界を見ているのかもしれません。
絵柄から読むポイント
女王は自分のペンタクルを見つめ、ウェイトはその中に「世界を見ているのかもしれない」と書いています。原典の意味は「豊かさ、寛大さ、安全、自由」。暮らしを整え、人をもてなすことのできる人物として読みます。お金を、人を縛るものではなく自由に選ぶための余裕として扱う姿勢が、この札の示すものです。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
豊かで愛情深い女王・母性的な包容力・豊かさ。
物質主義・依存・自分を大切にできない。
正位置では、暮らしを整え、まわりの人を安心させる豊かさを持つ人物です。家計や住まいを整えることが運を開きます。逆位置では、物やお金に頼って安心しようとする、あるいは原典の逆位置「疑い・不信」のように、失うことを恐れて人を信じられない状態。自分を大切にすることから立て直します。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 豊かさ、寛大さ、気前のよさ、安全、自由
- 逆位置
- 悪、疑い、宙ぶらりん、恐れ、不信
- 補足の意味
- 正位置「色黒の女性。裕福な親類からの贈り物。若い男性には裕福で幸せな結婚」/逆位置「病気」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
原典の正位置に「自由」が含まれているのが特徴です。豊かさを、人を縛るものではなく選べる余裕として読む見方で、現代の「暮らしを整える包容力」という読みとも重なります。
テーマ別の読み方
正位置:豊かで愛情深い女性性・母性的なパートナー。
逆位置:相手の世話を焼きすぎて疲れたり、物質的な条件にこだわりすぎたりしやすい状態です。心の交流も大切に。
正位置:豊かさを生み出す・部下や環境を大切にするリーダー。
逆位置:仕事と家庭の両立で無理をしやすいときです。自分のケアを後回しにしないようにしましょう。
暮らしを豊かにする堅実なお金の使い方ができる時期です。家や身の回りを整える出費は満足度が高いでしょう。
食事や睡眠を丁寧に整えるほど体調が安定しやすいときです。自分を大切に扱いましょう。
自分と周囲の豊かさを育む。物質と精神の両立。
Yes — 豊かさと包容力を表すため、温かな肯定と読むのが一般的です。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ペンタクルのクイーンには「地の玉座の女王」(The Queen of the Thrones of Earth)という称号が与えられています。
黄金の夜明け団はコートカードの呼び名を独自に組み替えており、ライダー版の名前とは対応がずれます(騎馬の「ナイト」が王、「キング」が王子、「ペイジ」が王女に当たります)。ライダー版の絵はこの組み替えを採らず、伝統的なキング・クイーン・ナイト・ペイジのままです。
組み合わせの一例
同じ人物の札
ペンタクルの14枚
ペンタクルのスート全体の性格は小アルカナ一覧のペンタクルの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。