ペンタクルのキング
経済的成功者の王
ライダー版の絵柄
ウェイトはこの人物について「特に説明は要らない」としつつ、顔はやや浅黒く勇気を感じさせるが、どこか無気力な傾向もあると書いています。玉座には牡牛の頭が繰り返し刻まれています。
絵柄から読むポイント
王の玉座には牡牛の頭が繰り返し刻まれています。原典では「勇気、物事を実現する知性、商売の才」を持つ人物とされ、補足では商人・親方・教師にも当てられています。事業を軌道に乗せた経営者や、生活の基盤を築いた年長者として読みます。自分の姿として出たら、築いたものをどう使い、誰に分けるかを考える時期です。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
経済的成功・実業家的リーダー・堅実な繁栄。
物質主義・貪欲・成功への執着。
正位置では、経済的に安定し、経験と判断力で事業や家計を支えられる人物です。大きな買い物や投資の判断を任せてよい時期です。逆位置では、成功への執着や利益優先が強くなる状態。原典の逆位置「悪徳・堕落・危険」のように、お金のために筋を曲げていないかを見直します。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 勇気、物事を実現する知性、商売とふつうの知的能力。ときに数学の才能。それらの道での成功
- 逆位置
- 悪徳、弱さ、醜さ、ひねくれ、堕落、危険
- 補足の意味
- 正位置「やや色黒の男性。商人、親方、教師」/逆位置「年老いた悪い男」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
ウェイトはこの札の解説で、古いデッキではこのスートが「貨幣」だったと述べ、札の意味は特にお金を扱うわけではないので、ペンタクル(五芒星)への置き換えには理があるとしています。現代の「経済的な成功者」という読みは、むしろ古い貨幣のスートの性格に近いものです。
テーマ別の読み方
正位置:経済的に成功した男性・安定した関係。
逆位置:お金や地位で相手を判断したり、関係を管理しようとしたりしやすい状態です。気持ちのやりとりを大切に。
正位置:経営者・実業家・経済的成功・組織のトップ。
逆位置:利益を優先しすぎて人の気持ちを置き去りにしやすいときです。長期的な信頼を重視しましょう。
経済的に安定し、大きな判断を任されやすい時期です。成功を独り占めせず、周囲と分かち合うと信頼が深まります。
生活の基盤が安定し、体調も落ち着きやすいときです。ただし食べすぎや運動不足には注意しましょう。
成功を分かち合う。物質と精神のバランス。
Yes — 物質的な成功と安定を表すため、はっきりとした肯定と読まれます。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ペンタクルのキングには「地の戦車の王子」(The Prince of the Chariot of Earth)という称号が与えられています。
黄金の夜明け団はコートカードの呼び名を独自に組み替えており、ライダー版の名前とは対応がずれます(騎馬の「ナイト」が王、「キング」が王子、「ペイジ」が王女に当たります)。ライダー版の絵はこの組み替えを採らず、伝統的なキング・クイーン・ナイト・ペイジのままです。
組み合わせの一例
同じ人物の札
ペンタクルの14枚
ペンタクルのスート全体の性格は小アルカナ一覧のペンタクルの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。