ペンタクルの3
職人技と協力
ライダー版の絵柄
修道院で彫刻家が仕事をしています。ウェイトは、ペンタクルの8に描かれた見習いが報酬を得て、ここでは本格的に働いているのだと説明しています。
絵柄から読むポイント
修道院で彫刻家が仕事をしています。ウェイトはペンタクルの8の見習いが一人前になった姿だと説明しています。技術が認められ、人と組んで大きな仕事をする場面として読みます。自分の腕前を、依頼主や仲間の目的に合わせて生かすことがこの札の要点です。逆位置では、仕事の質が中途半端になっていないかを見直します。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。数の3の一般的な位置づけは「3 — 発展と表現」です。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
スキルの発揮・チームでの協力・専門性。
スキル不足・協力の欠如・雑な仕事。
正位置では、技術が認められ、人と協力して良い仕事ができる時期です。自分の専門を生かせる依頼は引き受けてよいでしょう。逆位置では、仕事が雑になる、あるいは協力がうまくいかない状態。原典の逆位置「凡庸・つまらなさ」のように、慣れから手を抜いていないかを見直します。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 職業、商売、熟練の仕事。ただしふつうは高貴さ、貴族、名声、栄光の札とされる
- 逆位置
- 凡庸(仕事でもそれ以外でも)、幼稚さ、つまらなさ、弱さ
- 補足の意味
- 正位置「男性であれば、長男が名を上げる」/逆位置「周りの札しだい」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
ウェイトがペンタクルの8と3を同じ職人の成長として結びつけているのは、番号の順番とは逆向きの物語になっていて興味深い点です。現代の「専門性・チームでの協力」の読みは、修道院という共同の仕事場の図に沿っています。
テーマ別の読み方
正位置:共に築く関係・協力する二人。
逆位置:二人の協力がかみ合わず、役割分担に不満が出やすい状態です。お互いの得意分野を認め合いましょう。
正位置:専門技能の発揮・チームでの成功・良い職人技。
逆位置:連携不足や技術不足で品質が落ちやすいときです。手順を確認し、必要な学びを補いましょう。
技術や専門性が収入につながりやすい時期です。スキルアップへの出費は将来の投資になります。
仲間と一緒に取り組むと健康習慣が続きやすいときです。専門家の助言を取り入れるのもよいでしょう。
スキルを磨く。チームで大きなことを成す。
Yes — 技能と協力による成果を表すため、肯定と読むのが一般的です。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ペンタクルの3には「物質的な仕事の主」(Lord of Material Works)という称号が与えられています。
Book Tがこの札に与えている意味は「働きかけ、組み立てる力。築くこと、物質的なものの実現と増加。商売、雇われ仕事、取引」です。どの札もまわりの札との関係で強まったり弱まったりする、と同書は繰り返し断っています。
同じ文書では、2〜10の数札が黄道十二星座を10度ずつに分けた36の「デカン」に割り当てられています。ペンタクルの3は山羊座の第2デカンに当たり、そこを受け持つ天体は火星です。
組み合わせの一例
同じ数の札
ペンタクルの14枚
ペンタクルのスート全体の性格は小アルカナ一覧のペンタクルの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。