RUNE · 04 · Aett 1

ᚨAnsuz (オス)

神(アース神族)、口、言葉

転写A アエット第1・4番目 ルーン詩3篇

a のルーン。名前の *ansuz はゲルマンの主神たち(アース神族)を指す語で、アイスランドの詩ははっきりとオーディンの呼び名を並べています。

名前・音・のちの文字

復元名(推定)
*ansuz 「神(アース神族の一柱)」
音
/a/
英国のフソルク
ᚩ ōs(口(もとは「神」))
北欧のヤンガー・フサルク
ᚬ óss(神・河口)
ゴート文字の名
ahsa / aza

「*」は文献に直接残っていない、言語学上の復元形であることを示します。

名は詩によって姿を変えます。古英語の詩は ōs をラテン語の os(口)に寄せて「言葉の源」と詠み、ノルウェーの詩は同じ音の óss(河口)として詠みます。ただし古英語の詩も口の形ではなく「言葉の源」「知恵の柱」を語っており、もとの「神(ウォーデン/オーディン)」の意味が透けて見えるとされます。

英国のフソルクでは母音の変化に合わせて a のルーンが3つに分かれ、ōs ᚩ(o)、āc ᚪ「オーク」(a)、æsc ᚫ「トネリコ」(æ)になりました。北欧のヤンガー・フサルクでは ᚬ(óss)が鼻母音 ą などを表します。ゴート文字の a の名は ahsa / aza と記録されており、これを根拠に *ahsam「(麦の)穂」を本来の名とする見方もあります。

ルーン詩に詠まれたAnsuz

古英語ルーン詩8〜9世紀成立・ᚩ ōs

口はあらゆる言葉の源、知恵の柱、賢者の慰め。すべての戦士にとって恵みであり希望である。

Ós bẏþ ordfruma ælcre spræce, / wisdomes wraþu and witena frofur, / and eorla gehwam eadnẏs and tohiht.

古ノルウェー語ルーン詩13世紀(17世紀の写しで伝存)・ᚬ óss

河口は多くの旅の通り道。鞘が剣の通り道であるように。

Óss er flæstra færða / fǫr; en skalpr er sværða.

古アイスランド語ルーン詩1500年ごろの写本・ᚬ óss

神(アース)——いにしえのガウト(オーディンの呼び名)、アースガルズの君主、ヴァルハラの主。

Óss er aldingautr / ok ásgarðs jöfurr / ok valhallar vísi.

訳はブルース・ディキンズの英訳(1915年)をもとにした当サイトの日本語訳です。原文は Wikipedia 各項目に掲載の校訂テキストによります(一部の特殊文字は簡略化しています)。

現代のルーン占いでの読み方

ここから先は、1982年のラルフ・ブラム『The Book of Runes』以降に広まった現代の占いの読み方です。上の詩のイメージを手がかりにしていますが、古代のゲルマン人がこのように占っていたという記録はありません。

言葉知らせ助言学び

正位置

古英語詩の「言葉の源」と、アイスランドの詩のオーディン(知恵の神)から、知らせ・助言・対話・学びを表します。人の話や文章の中に、いま必要な手がかりがあると読むルーンです。

逆位置

聞き違い、言葉足らず、うわさや当てにならない助言。伝えたつもりのことを、もう一度言葉にして確かめます。

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よくある質問

Ansuzの名前の意味はどこまで確かですか?

*ansuz「神」が通説ですが、ゴート文字の名からは *ahsam「穂」という別案も出ており、確定ではありません。

Ansuzに逆位置はありますか?

現代のルーン占いでは、上下が逆に出たときに意味を弱めたり反転させたりして読みます。ただし、この区別は20世紀後半に広まった手法で、古い史料には見られません。

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参考資料