RUNE · 08 · Aett 1

ᚹWunjo (ウィン)

喜び、満ち足りた心

転写W アエット第1・8番目 ルーン詩1篇

w のルーン。名前は「喜び」。このルーンは英国でラテン文字の中に取り込まれ、w を書く文字 ƿ(ウィン)として14世紀ごろまで使われ続けました。

名前・音・のちの文字

復元名(推定)
*wunjō 「喜び」
音
/w/
英国のフソルク
ᚹ wynn(喜び・至福)
北欧のヤンガー・フサルク
なし(16文字への整理で廃止)

「*」は文献に直接残っていない、言語学上の復元形であることを示します。

古英語を書き始めた初期の写字生は、w の音を uu や vv で表していましたが、まもなく自国のルーン ᚹ を借りて文字 ƿ(wynn)として使うようになりました。ƿ は中英語の時代、1300年ごろに使われなくなり、現在の w に置き換わっています。

スカンディナヴィアのヤンガー・フサルクでは廃止されたため、ルーン詩は古英語の詩だけです。字形の由来はラテン文字 P、Q、あるいはラエティア文字の W など諸説あり、定まっていません。

ルーン詩に詠まれたWunjo

古英語ルーン詩8〜9世紀成立・ᚹ wynn

苦しみも悲しみも憂いも知らず、繁栄と幸福と、十分な住まいを持つ者は、喜びを味わう。

Ƿenne brūceþ, þe can ƿēana lẏt / sāres and sorge and him sẏlfa hæf / blǣd and blẏsse and eac bẏrga geniht.

詩が挙げる喜びの条件は「苦しみ・悲しみ・憂いがないこと」と「十分な住まい」で、華やかな成功というより、満ち足りた暮らしの喜びです。

訳はブルース・ディキンズの英訳(1915年)をもとにした当サイトの日本語訳です。原文は Wikipedia 各項目に掲載の校訂テキストによります(一部の特殊文字は簡略化しています)。

現代のルーン占いでの読み方

ここから先は、1982年のラルフ・ブラム『The Book of Runes』以降に広まった現代の占いの読み方です。上の詩のイメージを手がかりにしていますが、古代のゲルマン人がこのように占っていたという記録はありません。

満足達成仲間安心

正位置

古英語詩の描く「憂いがなく、住まいが足りている」喜びから、目標の達成や仲間との楽しい時間、心配事が片づいた安心感を表します。大きな成功より、いまある満足に気づくことが主題のルーンです。

逆位置

満たされなさ、人と比べての焦り、楽しい場での疎外感。足りないものより、すでにあるものを数え直すよう促します。

恋愛

一緒にいて気が楽な関係が育ちやすい時期。特別な演出より、くつろげる時間を共有することが喜びにつながります。

仕事

チームの雰囲気ややりがいがテーマ。成果をみんなで確かめ合う場を作ると、次の意欲が生まれます。

フレイのアエットの8番目

同じ組のルーン: ᚠ Fehu・ᚢ Uruz・ᚦ Thurisaz・ᚨ Ansuz・ᚱ Raidho・ᚲ Kenaz・ᚷ Gebo

よくある質問

Wunjoの名前の意味はどこまで確かですか?

確度は高いほうです。古英語の wynn「喜び」がよく伝わり、*wunjō はそこからの素直な復元です。

Wunjoに逆位置はありますか?

現代のルーン占いでは、上下が逆に出たときに意味を弱めたり反転させたりして読みます。ただし、この区別は20世紀後半に広まった手法で、古い史料には見られません。

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参考資料