RUNE · 09 · Aett 2

ᚺHagalaz (ハガル)

雹

転写H アエット第2・1番目 ルーン詩3篇

h のルーンで、第2の8文字の先頭。3つのルーン詩がそろって雹を「穀物」にたとえて詠んでいます。

名前・音・のちの文字

復元名(推定)
*hagalaz 「雹(ひょう)」
音
/h/
英国のフソルク
ᚻ hægl(雹)
北欧のヤンガー・フサルク
ᚼ hagall(雹)
ゴート文字の名
hagl

「*」は文献に直接残っていない、言語学上の復元形であることを示します。

古い字形には横棒1本の ᚺ と2本の ᚻ があり、スカンディナヴィアの碑文は1本、大陸の碑文は2本の形を使います。英国でも初めは1本の形でしたが、7世紀からは2本の形に替わり、早い例がハーリンゲンの金貨や聖カスバートの棺に見られます。

ヤンガー・フサルクでは、もとは j のルーンだった交差形 ᚼ が h を表すようになりました(ᛃ Jera の項を参照)。ゴート文字の h の名は hagl です。

ルーン詩に詠まれたHagalaz

古英語ルーン詩8〜9世紀成立・ᚻ hægl

雹は最も白い穀物。天の丸天井から渦を巻いて降り、突風にもまれ、やがて水に変わる。

Hægl bẏþ hƿitust corna; / hƿẏrft hit of heofones lẏfte, / ƿealcaþ hit ƿindes scura; / ƿeorþeþ hit to ƿætere sẏððan.

古ノルウェー語ルーン詩13世紀(17世紀の写しで伝存)・ᚼ hagall

雹は最も冷たい穀物。キリストはいにしえに世界を造った。

Hagall er kaldastr korna; / Kristr skóp hæimenn forna.

古アイスランド語ルーン詩1500年ごろの写本・ᚼ hagall

雹——冷たい穀物、みぞれの降りしきり、蛇たちの病。

Hagall er kaldakorn / ok krapadrífa / ok snáka sótt.

ノルウェーの詩の後半にはキリストが登場します。北欧のルーン詩がキリスト教化の後に書き留められたことを示す一節です。

訳はブルース・ディキンズの英訳(1915年)をもとにした当サイトの日本語訳です。原文は Wikipedia 各項目に掲載の校訂テキストによります(一部の特殊文字は簡略化しています)。

現代のルーン占いでの読み方

ここから先は、1982年のラルフ・ブラム『The Book of Runes』以降に広まった現代の占いの読み方です。上の詩のイメージを手がかりにしていますが、古代のゲルマン人がこのように占っていたという記録はありません。

突発外からの力中断やがて溶ける

正位置

防ぎようのない外からの出来事、予定の中断を表します。ただし古英語詩は雹が「やがて水に変わる」と結んでおり、激しく降ったものも時間がたてば落ち着き、土を潤す水になるという見通しまで含めて読むルーンです。

注意すべき面(逆位置なし)

上下を返しても同じ形なので逆位置はありません。注意すべき面としては、慌てて動いて被害を広げることや、過ぎた嵐にいつまでもこだわることを示します。

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仕事

突発的なトラブルや外部要因の変更。まず被害の範囲を確かめ、落ち着いてから立て直す順序が大切です。

ハガルのアエットの1番目

同じ組のルーン: ᚾ Nauthiz・ᛁ Isa・ᛃ Jera・ᛇ Eihwaz・ᛈ Perthro・ᛉ Algiz・ᛊ Sowilo

よくある質問

Hagalazの名前の意味はどこまで確かですか?

確度は高いほうです。3つの詩とゴート文字の hagl がすべて「雹」で一致します。

Hagalazに逆位置はありますか?

ᚺは180度回しても同じ形なので、逆位置として読み分けることはできません。そもそも正位置・逆位置の区別は現代の占いの手法で、古い史料には見られません。

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参考資料