RUNE · 15 · Aett 2

ᛉAlgiz (エオール)

ヘラジカ/スゲ(本来の名は不明)

転写Z アエット第2・7番目 ルーン詩1篇

語末の z の音を表すルーン。この音は語頭に来ないため、ほかの文字のように頭の音で名づけることができず、本来の名前は伝わっていません。

名前・音・のちの文字

復元名(推定)
*algiz(不確か) 「ヘラジカ(または「守り」とする説)」
音
/z/(語末のみ。北欧では r に近い音へ)
英国のフソルク
ᛉ eolh(x)(ヘラジカ・スゲ)
北欧のヤンガー・フサルク
ᛦ ýr(イチイ(名は ᛇ から))
ゴート文字の名
ezec

「*」は文献に直接残っていない、言語学上の復元形であることを示します。

z は男性名詞の語尾 -z にあたるため初期の碑文によく現れ、ガレフスの黄金の角杯(5世紀初め)の人名 hlewagastiz にも使われています。「ヘラジカ(elk)」という通称は、古英語の詩の eolhx-secg を「ヘラジカのスゲ」と読んだヴィルヘルム・グリム(1821年)に由来し、本来の名ではないという見方が広く共有されています。「守り・防御」を意味する *algiz とする説もあります。

北欧ではこの音が r に近い音(ʀ)に変わり、ヤンガー・フサルクでは上下を逆にした形 ᛦ で書かれました(11〜12世紀に r と合流)。英国では音を失い、ラテン文字の x の代わりに使われることがありました。20世紀にはドイツの神秘主義で「生命のルーン」と呼ばれ、ナチスの徽章にも使われた歴史があるため、現在でも使われ方の文脈に注意が向けられる記号です。

ルーン詩に詠まれたAlgiz

古英語ルーン詩8〜9世紀成立・ᛉ eolh(x)

エオルフ・スゲはたいてい沼地に生え、水の中で育つ。ひどい傷を負わせ、つかもうとする戦士を誰であれ血にまみれさせる。

[Eolhx]secg eard hæfþ oftust on fenne, / ƿexeð on ƿature, ƿundaþ grimme, / blode breneð beorna gehƿẏlcne / ðe him ænigne onfeng gedeþ.

北欧の2詩にある ᛦ(ýr)の節は、名前がイチイに替わっているため Eihwaz の項で紹介しています。

訳はブルース・ディキンズの英訳(1915年)をもとにした当サイトの日本語訳です。原文は Wikipedia 各項目に掲載の校訂テキストによります(一部の特殊文字は簡略化しています)。

現代のルーン占いでの読み方

ここから先は、1982年のラルフ・ブラム『The Book of Runes』以降に広まった現代の占いの読み方です。上の詩のイメージを手がかりにしていますが、古代のゲルマン人がこのように占っていたという記録はありません。

守り警戒直感境界

正位置

現代の占いで定着した「守護」の意味は、1982年のラルフ・ブラムの解釈に沿ったものです。古英語詩の、つかもうとする者を傷つけるスゲの姿と重ねれば、自分や大切な人を守るための警戒心、手を出す前に立ち止まる直感を表すルーンと読めます。

逆位置

無防備になる、あるいは逆に警戒しすぎて人を遠ざける。守るべき線がどこにあるのかを確かめ直します。

恋愛

相手を守りたい気持ちが強まる時期。踏み込みすぎず、安心できる距離を一緒に探しましょう。

仕事

リスク管理・安全確認・契約内容の点検。違和感を覚えた箇所は、そのままにせず確認するのが吉です。

ハガルのアエットの7番目

同じ組のルーン: ᚺ Hagalaz・ᚾ Nauthiz・ᛁ Isa・ᛃ Jera・ᛇ Eihwaz・ᛈ Perthro・ᛊ Sowilo

よくある質問

Algizの名前の意味はどこまで確かですか?

本来の名は分かっていません。「ヘラジカ」は19世紀の読みに基づく通称で、ほかに「守り」「スゲ」などの説があります。

Algizに逆位置はありますか?

現代のルーン占いでは、上下が逆に出たときに意味を弱めたり反転させたりして読みます。ただし、この区別は20世紀後半に広まった手法で、古い史料には見られません。

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参考資料