RUNE · 12 · Aett 2

ᛃJera (ヤラ)

年、実りの季節、収穫

転写J アエット第2・4番目 ルーン詩3篇

j のルーン。名前の *jēra- は英語 year の祖先で、もとは「一年」よりも「実りの季節・収穫」を指す語でした。

名前・音・のちの文字

復元名(推定)
*jēra- 「季節、実りの年、収穫」
音
/j/(英語 yes の y)
英国のフソルク
ᛄ gēr(年・実りの夏)
北欧のヤンガー・フサルク
ᛅ ár(豊作)
ゴート文字の名
jēr

「*」は文献に直接残っていない、言語学上の復元形であることを示します。

古い字形は2つの部分が離れた、24文字中ただ一つ「つながっていない」ルーンで、そのぶん形の変化が最も大きく、多くの異形が生まれました。最古級のヴィモーセの櫛(harja の銘)にもすでに現れます。

北欧では6〜7世紀に語頭の j が消えて *jāra が ár になったため、このルーンは /a/ を表す ᛅ へ移り、古い交差形は h(ᚼ)を表すようになりました。英国では gēr として残ります。1903年にキュルヴェル石が見つかるまでこの古い字形の読みは分かっておらず、ガレフスの黄金の角杯の銘の読み方も改められました。

ルーン詩に詠まれたJera

古英語ルーン詩8〜9世紀成立・ᛄ gēr

夏は人々の喜び。天の聖なる王たる神が、富める者にも貧しい者にも、大地に輝く実りを結ばせるとき。

古ノルウェー語ルーン詩13世紀(17世紀の写しで伝存)・ᛅ ár

豊作は人々への恵み。フロージは気前がよかったと私は言おう。

古アイスランド語ルーン詩1500年ごろの写本・ᛅ ár

豊作——人々への恵み、よい夏、よく育った作物。

Ár er gumna góði / ok gott sumar / algróinn akr.

訳はブルース・ディキンズの英訳(1915年)をもとにした当サイトの日本語訳です。原文は Wikipedia 各項目に掲載の校訂テキストによります(一部の特殊文字は簡略化しています)。

現代のルーン占いでの読み方

ここから先は、1982年のラルフ・ブラム『The Book of Runes』以降に広まった現代の占いの読み方です。上の詩のイメージを手がかりにしていますが、古代のゲルマン人がこのように占っていたという記録はありません。

収穫季節の巡り時間をかけた成果報い

正位置

種をまいてから実るまでの一巡りを表し、時間をかけて続けてきたことが成果になる時期と読みます。古英語詩が「富める者にも貧しい者にも」実りがもたらされると詠むように、努力に見合った自然な報いがテーマです。

注意すべき面(逆位置なし)

上下を返しても同じ形なので逆位置はありません。注意すべき面としては、まだ実っていないものを急いで刈り取ること、季節を飛ばして結果だけを求めることを示します。

恋愛

関係がゆっくり熟していく時期。記念日や季節の行事など、時間の積み重ねを確かめる機会が絆を深めます。

仕事

長期プロジェクトの成果や評価の時期。一年単位で振り返ると、積み上げてきたものが見えてきます。

ハガルのアエットの4番目

同じ組のルーン: ᚺ Hagalaz・ᚾ Nauthiz・ᛁ Isa・ᛇ Eihwaz・ᛈ Perthro・ᛉ Algiz・ᛊ Sowilo

よくある質問

Jeraの名前の意味はどこまで確かですか?

確度は高いほうです。英語 year と同じ語で、各地のルーン名とゴート文字の jēr がそろって「年・実り」を指します。

Jeraに逆位置はありますか?

ᛃは180度回しても同じ形なので、逆位置として読み分けることはできません。そもそも正位置・逆位置の区別は現代の占いの手法で、古い史料には見られません。

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参考資料