RUNE · 01 · Aett 1

ᚠFehu (フェオ)

家畜、富、動く財産

転写F アエット第1・1番目 ルーン詩3篇

すべてのフサルク(ルーン文字列)の先頭に置かれる f のルーン。牛が財産そのものだった時代の「家畜=富」という語が名前になっています。

名前・音・のちの文字

復元名(推定)
*fehu 「家畜、そこから広がって「財産」」
音
/f/(古くは /ɸ/)
英国のフソルク
ᚠ feoh(富・家畜)
北欧のヤンガー・フサルク
ᚠ fé(富・家畜)
ゴート文字の名
faihu

「*」は文献に直接残っていない、言語学上の復元形であることを示します。

古英語の feoh、古ノルド語の fé はどちらも「家畜」から「財産」へ意味を広げた語で、英語の fee(料金・報酬)も同じ系統です。ドイツ語の Vieh(家畜)やラテン語の pecu(家畜)も同じ語源に連なります。

3つのルーン詩すべてに同じ名で現れ、ゴート文字の f の名 faihu とも一致します。ここまで資料がそろうルーンは多くなく、*fehu は確度の高い復元名です。字形はエトルリア文字の v(ラテン文字 F と同じ系統)に由来すると考えられています。

ルーン詩に詠まれたFehu

古英語ルーン詩8〜9世紀成立・ᚠ feoh

富はすべての人にとって慰めとなる。だが主の御前で誉れを得たいなら、誰もがそれを惜しみなく分け与えねばならない。

Feoh bẏþ frofur fira gehƿẏlcum; / sceal ðeah manna gehƿẏlc miclun hẏt dælan / gif he ƿile for drihtne domes hleotan.

古ノルウェー語ルーン詩13世紀(17世紀の写しで伝存)・ᚠ fé

富は親族の争いのもと。狼は森に住む。

Fé vældr frænda róge; / føðesk ulfr í skóge.

古アイスランド語ルーン詩1500年ごろの写本・ᚠ fé

富——親族の争いのもと、海の火、蛇の道。

Fé er frænda róg / ok flæðar viti / ok grafseiðs gata.

英国の詩は富を「分け与えるべき慰め」と詠み、北欧の2詩はそろって「親族の争いのもと」と詠みます。同じ文字でも、詩によって富の明るい面と暗い面のどちらに目を向けるかが違います。

訳はブルース・ディキンズの英訳(1915年)をもとにした当サイトの日本語訳です。原文は Wikipedia 各項目に掲載の校訂テキストによります(一部の特殊文字は簡略化しています)。

現代のルーン占いでの読み方

ここから先は、1982年のラルフ・ブラム『The Book of Runes』以降に広まった現代の占いの読み方です。上の詩のイメージを手がかりにしていますが、古代のゲルマン人がこのように占っていたという記録はありません。

収入報酬分け合う富所有

正位置

手元に入ってくるお金・成果・評価を表します。古英語詩が「惜しみなく分け与えよ」と続けるように、受け取ったものをどう使い、誰に回すかまで含めて読むのが、この詩に沿った読み方です。

逆位置

北欧の2詩が詠む「親族の争いのもと」としての富。お金や持ち物をめぐる行き違い、抱え込み、予定外の出費に注意を向けます。

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仕事

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フレイのアエットの1番目

同じ組のルーン: ᚢ Uruz・ᚦ Thurisaz・ᚨ Ansuz・ᚱ Raidho・ᚲ Kenaz・ᚷ Gebo・ᚹ Wunjo

よくある質問

Fehuの名前の意味はどこまで確かですか?

確度は高いほうです。3つのルーン詩とゴート文字の名 faihu がそろって「家畜・富」を指すため、*fehu は24文字の中でも確かな復元名の一つとされます。

Fehuに逆位置はありますか?

現代のルーン占いでは、上下が逆に出たときに意味を弱めたり反転させたりして読みます。ただし、この区別は20世紀後半に広まった手法で、古い史料には見られません。

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参考資料