ソードの9
悪夢のような不安
ライダー版の絵柄
寝台に身を起こした人が嘆き、その上に九本の剣が並んでいます。ウェイトは「これほどの悲しみはないと思っている人」の姿だとし、まったくの荒涼の札だと書いています。
絵柄から読むポイント
寝台に身を起こした人物が嘆き、その上に九本の剣が並んでいます。夜中に目が覚めて不安が止まらないような、心の中の苦しみの札です。この札が出ても、悪いことが起こると決まったわけではありません。剣は人物の上に並んでいるだけで、刺してはいません。不安を一人で抱えず、言葉にして誰かに話すことが最初の手当てになります。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。数の9の一般的な位置づけは「9 — 成熟と最終段階」です。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
不安・悪夢・過剰な心配・悩みで眠れない。
不安の終わり・希望の光・回復。
正位置では、不安や心配が頭から離れず、眠れないほど思い詰めている状態です。起きていないことまで悪く考えていないかを確かめます。逆位置では、不安の正体が見え始める状態、あるいは原典の逆位置「疑い・もっともな恐れ・恥」のように、心配に実際の根拠がある状態。どちらかを見分けることが大切です。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 死、失敗、流産、遅れ、欺き、失望、絶望
- 逆位置
- 投獄、疑い、疑念、もっともな恐れ、恥
- 補足の意味
- 正位置「聖職者。おおむね凶兆」/逆位置「疑わしい人を疑う十分な理由がある」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
原典の意味は非常に重く、黄金の夜明け団の札名も「絶望と残酷の主」です。現代では「不安・眠れない夜」と心の状態として読むことが多く、原典より穏やかな言い方になっています。
テーマ別の読み方
正位置:関係への不安・悪い想像・眠れない夜。
逆位置:思い詰めていた不安がやわらぎ、関係に希望が見えてくる状態です。悪い想像より事実を確かめましょう。
正位置:プロジェクトへの過剰な不安・悩み。
逆位置:悩みのピークを越え、少しずつ見通しが立ってくるときです。一人で抱えず周囲と共有しましょう。
お金の心配が実際以上に大きく感じられる時期です。不安な点を書き出し、数字で確認すると落ち着きます。
不安で眠れない、考えすぎるといった状態に注意が必要なときです。つらさが続く場合は専門家に相談しましょう。
悪い想像は9割起きない。信頼できる人に話す。
No — 強い不安と心配を表すため、否定的に読むのが一般的です。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ソードの9には「絶望と残酷の主」(Lord of Despair and Cruelty)という称号が与えられています。
Book Tがこの札に与えている意味は「絶望、残酷、無慈悲、悪意、苦しみ。病、痛み。ただし周りの札によっては、従順、誠実、忍耐」です。どの札もまわりの札との関係で強まったり弱まったりする、と同書は繰り返し断っています。
同じ文書では、2〜10の数札が黄道十二星座を10度ずつに分けた36の「デカン」に割り当てられています。ソードの9は双子座の第2デカンに当たり、そこを受け持つ天体は火星です。
組み合わせの一例
同じ数の札
ソードの14枚
ソードのスート全体の性格は小アルカナ一覧のソードの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。