ソードのナイト
真実を求めて突進する騎士
ライダー版の絵柄
騎士が敵を蹴散らすように全速力で駆けています。ウェイトは、ロマンスに出てくる騎士道の英雄の典型であり、心が清いゆえに剣が速く確かなガラハッドのようだと書いています。
絵柄から読むポイント
騎士は敵を蹴散らすように全速力で駆けています。ウェイトは騎士道の英雄、ガラハッドのようだと書いています。迷いなく突き進む決断力の札で、交渉や議論を一気に片づけたいときに出ます。原典の正位置には「勇敢さ」と「破壊」の両方があり、速さが周りを置き去りにしていないかを確かめることがこの札の注意点です。
絵柄の説明は、この札を描かせたA. E. ウェイトの解説書『The Pictorial Key to the Tarot』(1910年)の記述をもとにしています。
正位置・逆位置の読み方
このサイトの現代的な読み方
率直な行動・真実を求める勇気・素早い判断。
無謀・攻撃的・言葉の暴力。
正位置では、迷わず決めて素早く動ける時期です。交渉や議論を一気に進める力があります。逆位置では、勢いが無謀さや攻撃的な言葉に変わりやすい状態。原典の逆位置「軽率・無能・浪費」のとおり、速さに中身が追いついていないことがあるので、動く前に目的を確かめます。
ウェイト(1910年)が挙げた占いの意味(和訳)
- 正位置
- 技能、勇敢さ、能力、防御、話術、敵意、怒り、戦争、破壊、反対、抵抗、破滅。不吉な札の近くでは死の意味も持つ
- 逆位置
- 軽率、無能、浪費
- 補足の意味
- 正位置「兵士、武人、従者、雇われ人。兵士には英雄的な行いが予告される」/逆位置「愚かな人との争い。女性にとっては恋敵との争いで、勝つことになる」(同書の巻末「小アルカナの追加の意味」より)
原典の正位置には「勇敢さ」と「破壊」が同時に並びます。現代の「率直な行動・素早い判断」と、逆位置の「無謀・攻撃的」は、原典の正位置の二つの面を正と逆に振り分けたものと言えます。
テーマ別の読み方
正位置:率直なアプローチ・情熱的だがぶつかりやすい。
逆位置:強い言葉や性急な行動で相手を傷つけやすい状態です。伝える前に一呼吸おきましょう。
正位置:率直な意見・改革を推進・時に対立を生む。
逆位置:攻撃的な態度や強引な改革が反発を招きやすいときです。目的と手段を見直しましょう。
勢いで決めた支払いや投資が裏目に出やすい時期です。スピードより確認を優先しましょう。
急いで動きすぎて疲れやけがにつながりやすいときです。ペース配分を意識しましょう。
率直さは大切だが、相手への配慮も。
Yes — 素早い行動と突破力を表すため、急げば叶うと読む肯定です。ただし衝突に注意します。
※健康面の読み方は占いとしての目安です。体調に不安がある場合は医療機関に相談してください。
黄金の夜明け団での称号と対応
19世紀末のイギリスの魔術結社・黄金の夜明け団は、タロットの各札に称号を付けていました。その文書(通称「Book T」)は1912年に雑誌『The Equinox』で公にされ、ソードのナイトには「風とそよ風の主、風の精霊たちの王」(The Lord of the Wind and the Breezes: the King of the Spirits of Air)という称号が与えられています。
黄金の夜明け団はコートカードの呼び名を独自に組み替えており、ライダー版の名前とは対応がずれます(騎馬の「ナイト」が王、「キング」が王子、「ペイジ」が王女に当たります)。ライダー版の絵はこの組み替えを採らず、伝統的なキング・クイーン・ナイト・ペイジのままです。
組み合わせの一例
同じ人物の札
ソードの14枚
ソードのスート全体の性格は小アルカナ一覧のソードの項で説明しています。実際に一枚引いてみるならタロット占いをどうぞ。
参考資料
- A. E. Waite(絵 Pamela Colman Smith)/Wikisource「The Pictorial Key to the Tarot」 ライダー版(ウェイト=スミス版)の作者自身による解説書(1910年)。絵柄の説明と、正位置・逆位置の占いの意味の和訳に使っています。
- 黄金の夜明け団「Book T」/Aleister Crowley Timeline(スキャンPDF)「A Description of the Cards of the Tarot(The Equinox Vol. I No. 8, 1912)」 黄金の夜明け団のタロット文書を初めて公にしたもの。各札の称号(「〜の主」など)、数札とデカンの対応表、札ごとの短い意味を訳して使っています。