ᛒBerkano (ベオーク)
白樺、芽吹き、成長
b のルーン。「樺」という意味はルーンのどの伝承でも共通で、アイルランドのオガム文字でも b の文字は樺(Beith)と呼ばれます。
名前・音・のちの文字
- 復元名(推定)
- *berkanan 「樺(カバノキ)」
- 音
- /b/
- 英国のフソルク
- ᛒ beorc(樺(ポプラとも))
- 北欧のヤンガー・フサルク
- ᛒ bjarkan(樺)
- ゴート文字の名
- bercna(アルクィンの記録)
「*」は文献に直接残っていない、言語学上の復元形であることを示します。
字形はイタリアの古い文字の B(ラテン文字 B と同系)に由来します。ヤンガー・フサルクでは ᛒ が b だけでなく p も表し、12世紀には点を打った ᛔ が p 専用の文字として現れました。
スウェーデンでは birkal とも呼ばれ、16世紀末にヨハンネス・ブレウスが記録した短い詩句は「樺の芽が最も盛ん」と詠んでいます。古英語の詩の beorc については、1915年のディキンズの英訳は「ポプラ」と訳しており、どの木を指すかには議論があります。
ルーン詩に詠まれたBerkano
樺(ベオルク)は実を結ばない。それでも種なしに若枝を伸ばす。枝ぶりは見事で、空に届く高い梢は美しく飾られ、葉に覆われている。
Beorc bẏþ bleda leas, bereþ efne sƿa ðeah / tanas butan tudder, biþ on telgum ƿlitig, / heah on helme hrẏsted fægere, / geloden leafum, lẏfte getenge.
樺はどの木よりも緑の葉をつける。ロキは欺きにおいて幸運だった。
Bjarkan er laufgrønstr líma; / Loki bar flærða tíma.
樺——葉の茂った小枝、小さな木、みずみずしい若木。
Bjarkan er laufgat lim / ok lítit tré / ok ungsamligr viðr.
訳はブルース・ディキンズの英訳(1915年)をもとにした当サイトの日本語訳です。原文は Wikipedia 各項目に掲載の校訂テキストによります(一部の特殊文字は簡略化しています)。
現代のルーン占いでの読み方
ここから先は、1982年のラルフ・ブラム『The Book of Runes』以降に広まった現代の占いの読み方です。上の詩のイメージを手がかりにしていますが、古代のゲルマン人がこのように占っていたという記録はありません。
正位置
古英語詩の「種なしに若枝を伸ばす」樺と、アイスランドの詩の「みずみずしい若木」から、新しく芽を出したもの、手をかけて育てること、成長の始まりを表します。現代の本では母性や家庭の象徴としても読まれます。
逆位置
育ちが遅い、世話が行き届かない、または手をかけすぎて相手の伸びる力を奪っている状態。見守る距離を調整します。
恋愛
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仕事
新規事業の芽、後輩や新人の育成。成果を急がず、育つ環境づくりに時間を使う時期です。
ティールのアエットの2番目
同じ組のルーン: ᛏ Tiwaz・ᛖ Ehwaz・ᛗ Mannaz・ᛚ Laguz・ᛜ Ingwaz・ᛞ Dagaz・ᛟ Othala
よくある質問
Berkanoの名前の意味はどこまで確かですか?
確度は高いほうです。名前の細部は伝承によって違いますが、「樺」という意味はすべての伝承で一致します。
Berkanoに逆位置はありますか?
現代のルーン占いでは、上下が逆に出たときに意味を弱めたり反転させたりして読みます。ただし、この区別は20世紀後半に広まった手法で、古い史料には見られません。
次に読む
- ルーン24文字の一覧 — 3つのアエットと、何が史料に基づき何が現代の解釈かの整理。
- 落下物・くじ占い — タキトゥスが記した木片のくじなど、偶然に意味を読む占いの系譜。
- 北欧・ゲルマンの占い文化 — ルーンのほか、女預言者ヴォルヴァやセイズルの伝承。
- タロット占い — 同じ質問をカードで引き、ルーンの読みと見比べられます。
参考資料
- Wikipedia(英語版)「*Berkanan」 Berkano の名前の語源、各地の名と字形の変化、ルーン詩の原文。
- Internet Archive「Runic and Heroic Poems of the Old Teutonic Peoples(Bruce Dickins 編訳、1915年)」 古英語・ノルウェー・アイスランドの3つのルーン詩の原文と英訳。各ページのルーン詩の日本語訳は、この英訳をもとに当サイトが訳したものです。
- Wikipedia(英語版)「Elder Futhark」 24文字の復元名・意味・音価(R. I. Page、M. Barnes の研究に基づく表)、アエットの呼び名、碑文の数と分布、ヴァドステナのブラクテアートの字順。
- Wikipedia(英語版)「Runic magic」 タキトゥス『ゲルマニア』10章の解釈(印がルーンかどうかは決められない)と、ラルフ・ブラム『The Book of Runes』(1982年)以降の現代のルーン占い。