RUNE · 17 · Aett 3

ᛏTiwaz (ティール)

神ティール、導きの星

転写T アエット第3・1番目 ルーン詩3篇

t のルーンで、第3の8文字の先頭。北欧では片手の神ティールの名で呼ばれ、古英語の Tiwesdæg(火曜日)にもこの神の名が見られます。

名前・音・のちの文字

復元名(推定)
*tīwaz 「神ティール(テュール)」
音
/t/
英国のフソルク
ᛏ tīr / tī(誉れ(神の名とも))
北欧のヤンガー・フサルク
ᛏ týr(神ティール)

「*」は文献に直接残っていない、言語学上の復元形であることを示します。

上向きの矢の形をしたこのルーンは、古くから神の名と結びついていたと考えられています。3〜4世紀のリンドホルムの護符には t が3つ続けて刻まれ、キュルヴェル石は24文字の列のあとに ᛏ を何本も重ねた木のような記号を置いています。

『古エッダ』の『シグルドリーヴァの歌』では、勝利を望むなら剣の柄に「勝利のルーン」を刻み、ティールの名を二度唱えよと語られます。英国の写本では名前が Ti、Tir、Tyr と揺れ、古英語詩の節には「誉れ」の添え書きがあります。詩の内容は夜空を外れずに進む星を詠んでおり、北極星とみる解釈が知られています。

ルーン詩に詠まれたTiwaz

古英語ルーン詩8〜9世紀成立・ᛏ tīr / tī

ティーウは導きの星。王侯に対してよく信義を守り、夜の霧の上をいつも進み、決して外れることがない。

Tir biþ tacna sum, healdeð trẏƿa ƿel / ƿiþ æþelingas; a biþ on færylde / ofer nihta genipu, næfre sƿiceþ.

古ノルウェー語ルーン詩13世紀(17世紀の写しで伝存)・ᛏ týr

ティールは片手の神。鍛冶屋はしばしばふいごを吹かねばならない。

Týr er æinendr ása; / opt værðr smiðr blása.

古アイスランド語ルーン詩1500年ごろの写本・ᛏ týr

ティール——片手の神、狼の食べ残し、神殿の主。

Týr er einhendr áss / ok ulfs leifar / ok hofa hilmir.

アイスランドの詩には「マルスの君主」というラテン語の添え書きがあり、ティールをローマの軍神マルスに重ねています。

訳はブルース・ディキンズの英訳(1915年)をもとにした当サイトの日本語訳です。原文は Wikipedia 各項目に掲載の校訂テキストによります(一部の特殊文字は簡略化しています)。

現代のルーン占いでの読み方

ここから先は、1982年のラルフ・ブラム『The Book of Runes』以降に広まった現代の占いの読み方です。上の詩のイメージを手がかりにしていますが、古代のゲルマン人がこのように占っていたという記録はありません。

筋を通す誓い勝負公正

正位置

古英語詩の「信義を守り、決して外れない導きの星」から、自分の基準を曲げずに進むこと、約束を守ること、正面からの勝負を表します。北欧の詩が「片手の神」と呼ぶように、何かを引き受けて代償を払う覚悟も含めて読まれます。

逆位置

迷いや約束の揺らぎ、勝ち負けへのこだわりすぎ。目印にしていた星を見失っていないかを確かめます。

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ティールのアエットの1番目

同じ組のルーン: ᛒ Berkano・ᛖ Ehwaz・ᛗ Mannaz・ᛚ Laguz・ᛜ Ingwaz・ᛞ Dagaz・ᛟ Othala

よくある質問

Tiwazの名前の意味はどこまで確かですか?

確度は高いほうです。北欧の名 týr とアイスランドの詩のラテン語注から、神の名にちなむルーンであることはほぼ確かです。

Tiwazに逆位置はありますか?

現代のルーン占いでは、上下が逆に出たときに意味を弱めたり反転させたりして読みます。ただし、この区別は20世紀後半に広まった手法で、古い史料には見られません。

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参考資料