RUNE · 21 · Aett 3

ᛚLaguz (ラーグ)

水、湖、海

転写L アエット第3・5番目 ルーン詩3篇

l のルーン。ルーン詩では海・滝・水として詠まれますが、初期の碑文に見える laukaz(リーキ、ネギの仲間)こそ本来の名だったとする説もあります。

名前・音・のちの文字

復元名(推定)
*laguz(または *laukaz) 「水・湖(または「ネギ類、リーキ」)」
音
/l/
英国のフソルク
ᛚ lagu(海)
北欧のヤンガー・フサルク
ᛚ lǫgr(水・滝)
ゴート文字の名
laaz

「*」は文献に直接残っていない、言語学上の復元形であることを示します。

古英語詩では lagu「海」、ノルウェーの詩では「滝」、アイスランドの詩では「水」と、いずれも水にかかわります。ゴート文字の l の名は laaz と記録され、*lagus と読まれています。字形はラエティア文字の l と同じです。

一方、初期の金のブラクテアート(メダル状の装身具)にはまじないの語とみられる laukaz「リーキ」がよく刻まれ、ビューラハのフィブラ(留め金)の ᛚ をその略記とみる研究者もいます。10世紀の写本にもこのルーンを laukr(ネギ類)と呼ぶ例があり、*laukaz 説の根拠になっています。

ルーン詩に詠まれたLaguz

古英語ルーン詩8〜9世紀成立・ᛚ lagu

海は人々に果てしなく思える。揺れる船で漕ぎ出し、大波が恐れさせ、深みの駿馬(船)が手綱に従わないときには。

Lagu bẏþ leodum langsum geþuht, / gif hi sculun neþan on nacan tealtum / and hi sæẏþa sƿẏþe bregaþ / and se brimhengest bridles ne gẏm[eð].

古ノルウェー語ルーン詩13世紀(17世紀の写しで伝存)・ᛚ lǫgr

滝は山腹から落ちる川。だが装身具は金でできている。

Lǫgr er, fællr ór fjalle foss; / en gull ero nosser.

古アイスランド語ルーン詩1500年ごろの写本・ᛚ lǫgr

水——渦巻く流れ、広い間欠泉、魚の国。

Lögr er vellanda vatn / ok viðr ketill / ok glömmungr grund.

訳はブルース・ディキンズの英訳(1915年)をもとにした当サイトの日本語訳です。原文は Wikipedia 各項目に掲載の校訂テキストによります(一部の特殊文字は簡略化しています)。

現代のルーン占いでの読み方

ここから先は、1982年のラルフ・ブラム『The Book of Runes』以降に広まった現代の占いの読み方です。上の詩のイメージを手がかりにしていますが、古代のゲルマン人がこのように占っていたという記録はありません。

流れ感情直感未知

正位置

現代の占いは水の読みを採り、流れ、感情、言葉にならない直感を表します。古英語詩が描く、手綱のきかない船で果てしない海に漕ぎ出す姿のように、すべてを制御できない状況で流れを読みながら進むことがテーマです。

逆位置

流される、感情の波にのまれる、先の見えなさへの不安。いったん岸に戻り、足のつく場所を確かめます。

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ティールのアエットの5番目

同じ組のルーン: ᛏ Tiwaz・ᛒ Berkano・ᛖ Ehwaz・ᛗ Mannaz・ᛜ Ingwaz・ᛞ Dagaz・ᛟ Othala

よくある質問

Laguzの名前の意味はどこまで確かですか?

確かではありません。ルーン詩からは *laguz「水・湖」、初期の碑文と一部の写本からは *laukaz「リーキ」が考えられ、どちらが本来の名かは決まっていません。

Laguzに逆位置はありますか?

現代のルーン占いでは、上下が逆に出たときに意味を弱めたり反転させたりして読みます。ただし、この区別は20世紀後半に広まった手法で、古い史料には見られません。

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参考資料