ᛞDagaz (ダエグ)
日、昼の光
d のルーン。名前は英語の day と同じ語です。蝶のような形をしており、ヤンガー・フサルクで廃止されたためルーン詩は古英語の詩だけに残ります。
名前・音・のちの文字
- 復元名(推定)
- *dagaz 「日、昼」
- 音
- /d/
- 英国のフソルク
- ᛞ dæg(日)
- 北欧のヤンガー・フサルク
- なし(16文字への整理で廃止)
- ゴート文字の名
- dags
「*」は文献に直接残っていない、言語学上の復元形であることを示します。
字形はイタリアのレポント文字の san、またはラエティア文字の D に由来するという説がありますが、独自の考案とする見方もあります。ゴート文字の d の名は dags です。
このページでは d を23番目、o を24番目に置いていますが、これはキュルヴェル石(400年ごろ)の順序です。6世紀のヴァドステナとマリエダムのブラクテアートでは o と d が逆になっており、最後の2文字の順は伝承によって違います。北欧でヤンガー・フサルクに移った後も、9世紀のイングルスタードの碑文(Ög 43)では、このルーン1文字で人名 Dagr(「日」)を表した例が知られています。
ルーン詩に詠まれたDagaz
日は主から遣わされる、造り主の輝かしい光。人々に愛され、富める者にも貧しい者にも希望と喜びをもたらし、すべての者の役に立つ。
Dæg bẏþ drihtnes sond, deore mannum, / mære metodes leoht, mẏrgþ and tohiht / eadgum and earmum, eallum brice.
訳はブルース・ディキンズの英訳(1915年)をもとにした当サイトの日本語訳です。原文は Wikipedia 各項目に掲載の校訂テキストによります(一部の特殊文字は簡略化しています)。
現代のルーン占いでの読み方
ここから先は、1982年のラルフ・ブラム『The Book of Runes』以降に広まった現代の占いの読み方です。上の詩のイメージを手がかりにしていますが、古代のゲルマン人がこのように占っていたという記録はありません。
正位置
古英語詩の「富める者にも貧しい者にも」等しく届く昼の光から、物事が明るみに出ること、見通しが開けること、新しい一日の始まりを表します。迷っていたことに答えが見えやすいルーンとして読まれます。
注意すべき面(逆位置なし)
上下を返しても同じ形なので逆位置はありません。注意すべき面としては、急な転換に気持ちが追いつかないことや、まぶしさで足元の細部を見落とすことを示します。
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ティールのアエットの7番目
同じ組のルーン: ᛏ Tiwaz・ᛒ Berkano・ᛖ Ehwaz・ᛗ Mannaz・ᛚ Laguz・ᛜ Ingwaz・ᛟ Othala
よくある質問
Dagazの名前の意味はどこまで確かですか?
確度は高いほうです。古英語の dæg とゴート文字の dags がそろって「日」を指します。
Dagazに逆位置はありますか?
ᛞは180度回しても同じ形なので、逆位置として読み分けることはできません。そもそも正位置・逆位置の区別は現代の占いの手法で、古い史料には見られません。
次に読む
- ルーン24文字の一覧 — 3つのアエットと、何が史料に基づき何が現代の解釈かの整理。
- 落下物・くじ占い — タキトゥスが記した木片のくじなど、偶然に意味を読む占いの系譜。
- 北欧・ゲルマンの占い文化 — ルーンのほか、女預言者ヴォルヴァやセイズルの伝承。
- タロット占い — 同じ質問をカードで引き、ルーンの読みと見比べられます。
参考資料
- Wikipedia(英語版)「Dagaz」 Dagaz の名前の語源、各地の名と字形の変化、ルーン詩の原文。
- Internet Archive「Runic and Heroic Poems of the Old Teutonic Peoples(Bruce Dickins 編訳、1915年)」 古英語・ノルウェー・アイスランドの3つのルーン詩の原文と英訳。各ページのルーン詩の日本語訳は、この英訳をもとに当サイトが訳したものです。
- Wikipedia(英語版)「Elder Futhark」 24文字の復元名・意味・音価(R. I. Page、M. Barnes の研究に基づく表)、アエットの呼び名、碑文の数と分布、ヴァドステナのブラクテアートの字順。
- Wikipedia(英語版)「Runic magic」 タキトゥス『ゲルマニア』10章の解釈(印がルーンかどうかは決められない)と、ラルフ・ブラム『The Book of Runes』(1982年)以降の現代のルーン占い。
- Wikipedia(英語版)「Kylver Stone」 24文字を順に並べた最古の例(400年ごろ、ゴットランド島)。1903年の発見と、末尾の木の形の記号。